さすがのハリさんも神妙だ。東京五輪ボクシング女子フェザー級で金メダルを獲得した入江聖奈(20)について、『サンデーモーニング』(TBS系、8月8日放送)に出演した張本勲氏(81)が「嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合ってね。こんな競技好きな人がいるんだ」と発言した問題で、張本氏は謝罪に追い込まれた。
だが、この騒動に対して球界から批判の声が聞こえてこない。あるNPB関係者は苦笑いする。
「今の球界で張本さんにものを言える人はいませんよ。我々も日々、翻弄されていますから」
なかでもOBを中心に1000人以上で構成され、野球教室や講演など球界発展に向けて活動する「プロ野球OBクラブ」では逸話に事欠かない。
「OBクラブは毎年1、2回、会員向けにゴルフコンペを開催しています。会員は年会費1万円を払っているので無料で参加できるが、張本さんは長年、会員ではないのに参加していた。それどころか、知人の有名格闘家の妻などをゲストに招いたことも。プレイ代はクラブの予算で賄っていて、会員からは不満の声があがっていましたが、誰も直接は言えなかった」(前出・NPB関係者)
そうした声が耳に入ったのか、近年、張本氏は同クラブに加入したが、その後もこんなことが。
「OBクラブのメンバーが参加する野球教室では、会場最寄り駅や宿泊先からバスで向かうのですが、ある時、張本さんは集合時間前にバスに乗り込むと、他の参加者が集まっていないのに『時間前に来ない者が悪い』とバスを出発させてしまった。時間通りに来た参加者は“張本時間”に戸惑いながらも、文句も言えずにタクシーで会場に向かうことに……」(球界OB)
本人の見解を聞くべく自宅に電話したが、家人から「取材の対応はしておりません」との返答。誰も「喝」を入れられないのが最大の問題か。
※週刊ポスト2021年9月10日号