今年7月、テレビ史において前代未聞の番組が誕生した。その名も『とろサーモン久保田、テレビ局の枠を買う』(チバテレビ)。コンビにとって初の冠バラエティだが、この番組は久保田かずのぶ(41)がなんと自腹でテレビ枠を購入し、誕生したというもの。「1タレントが出演者であり、スポンサー」という異例の番組はメディアに取り上げられ、SNS上で話題を呼んだが、なんとわずか4回で“打ち切り”になったという。久保田と番組の放送作家・桝本壮志氏に話を聞いた。
──「テレビ局の枠を買う」という企画はどのようにして誕生したのか?
久保田:去年か一昨年、桝本さんとご飯を食べる機会がありまして「一緒に仕事をやりましょうよ!」とお声掛けしていたんです。その後、僕が『ドキュメンタル』(Amazonプライム)で優勝して2000万円を手に入れた時、改めて「何か面白いことをできませんか」と相談しました。すると、提案されたのが「テレビ局の枠を買ったら面白いんじゃないか」というイカれた企画でした。
桝本:とろサーモン久保田だから普通の番組をやることは違うと思っていて、とにかく話題にしたかったんです。「まさか買わないだろうな」と冗談交じりで「テレビ枠を買ったら?」と提案したら「おもろいすね!買います!やります!」と即答されました。
久保田:テレビ枠を買うことは少しも躊躇なかったです。僕は独り身だし、汚い後輩に金を奢るくらいなら後悔ないように面白いことをしたいなというのはありました。
桝本:もともと久保田くんのことが好きでしたが、この即答によって、もう1度惚れ直しましたね。
久保田:企画を聞いた瞬間、3年前のニュースとなった悪行の映像が良い意味でフラッシュバックしたんです。
桝本:実際、スポーツ新聞の記事に取り上げられていたから驚いたよね。
久保田:番組の記事の横に小さく「大谷(翔平)選手がヒットを打った」みたいなものが書いてありましたからね。大谷より話題になっていました。