今年2月にNMB48を卒業した東由樹が、拠点としていた大阪・難波から上京し、東京で新たに女優としてのスタートを切った。8月からはYouTubeチャンネルも解説し、活動の幅を広げている彼女の現在に迫った。
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幼少期の東にとって、テレビで見る女優は憧れの存在だった。芸能界への興味を持ち続ける中で、15歳の時に、姉の勧めでNMB48の2期生のオーディションを受けた。
NMB48といえば、お笑いの聖地・大阪のグループらしくコントや漫才にも力を入れ、48グループの中でも個性が強いメンバーが集まった。NMBから総選挙上位に食い込むメンバーも出たが、東は在籍した9年間ずっと「総選挙圏外」。しかし、挫けることなく必死に活動してきた。
「デビュー直後から『存在感が薄い』と言われ続けてきました(笑)。MCで上手く喋れなかったり、前に出られなかったり……。それでも、毎日学校終わりに劇場に行って公演に出たり、週末も朝から一日中稽古していました。
だから、ランクインできてないから不人気だとか、頑張ってないと思われることがすごく嫌でした。みんなそれぞれ頑張ってベストを尽くしてきて、そんな中でも票数や順位を付けられるのが48グループです。選ばれないからって気持ちが後ろ向きになることはなく、日頃の握手会や公演を頑張ろうと思っていました」
葛藤もあったはずだ。総選挙でランクインしたい気持ちもあっただろう。しかし、ある時を境に、順位にこだわるよりも“自分らしい活動”を模索し始めた。
「在籍4年目くらいから“ゆきつんカメラ”と題してメンバーの舞台裏や撮影会のオフショットを撮り始めたんです。最初はスマホから始めましたが、途中から一眼レフカメラを使って、楽屋での“素”の笑顔とステージ上のギャップを写真に撮り溜めました。私ならではの目線で、メンバーのオフィシャルカメラマンかのような気分でやっていましたね」
そうした活動が実を結んでか、卒業する2年前、2019年には始めてシングル曲の選抜メンバーに選出され、2020年には写真展『ゆきつんカメラ in NMB48』も開催した。
「20歳くらいの頃、卒業を考えたこともありましたが、まだどうしても心残りがありました。初めて選抜メンバーに選んでもらえて、写真展もさせていただいて『やりきった!』と思えたんです。これで次の道に進める……と卒業を決意できました」