蚊やゴキブリなど、さまざまな害虫がいるなか、特に怖がられているのが、ハチだろう。
「蜂には花の蜜を吸う種類と肉食の種類がいて、人を刺すのは後者の『スズメバチ』『アシナガバチ』です」
と話すのは、フマキラー開発研究部基礎科学研究室室長の佐々木智基さんだ。
「体が小さいアシナガバチは毒の量が少なく、刺されても大したことはありませんが、怖いのはスズメバチ。刺されるとアナフィラキシーショックを起こす恐れも。蜂に刺されて死亡したケースの多くは『キイロスズメバチ』によるものです」(佐々木さん)
キイロスズメバチ、コガタスズメバチ、ヒメスズメバチは、住宅街でもよく見かけるので注意が必要だが、蜂の巣は一年中あるわけではない。害虫防除技術研究所所長・白井良和さんはこう話す。
「巣は春から秋にかけて大きくなります。越冬した蜂が春先に出てきて巣づくり&産卵を開始。晩夏に羽化するため、個体数が増えるのは秋。蜂の数が多いほどエサの奪い合いになるため、活動が活発になります。ほかの巣を狙うなど凶暴化する傾向もあり、人を襲うこともこの時期に増えます」
夏から秋にかけては、特に防蜂対策が必要だ。では、蜂の巣はどうやって見つけたらいいのだろうか。
「1匹飛んでいるだけではわかりませんが、自宅周辺で2~3匹見るようになったら近くに巣があると思ってください」(佐々木さん)
蜂が住宅街に巣をつくる場合、雨がかからない軒下を選ぶ。近くに公園などがあれば、木の中や根元も危ない。
「家の周りに使わない木材などを置いていたり、雨除けになる場所があれば、そこに巣をつくられてしまう可能性はあります」(白井さん)
近年増えている空き家も、蜂の巣づくりにはもってこいの環境だ。