芸能

志村けんさん 海外ロケでカバンをなくした付き人を叱らなかった理由

志村けんさんの運転手兼付き人を務めた乾き亭げそ太郎が思い出を振り返る(時事通信フォト)

志村けんさんが付き人を叱らなかったのはなぜ?(時事通信フォト)

 志村けんが新型コロナウイルス感染症に伴う肺炎で亡くなってから、はや1年半。1994年から7年間にわたって、志村の運転手兼付き人を務めた乾き亭げそ太郎が、海外ロケに同行した時の苦い思い出を振り返る。

 * * *
 1998年に、ある番組のロケでスウェーデンに行ったときのこと。飲めないお酒を飲んだ翌朝、目が覚めると志村さんから預かっていた、パスポートやカード類、現金の入ったカバンがないんです。

 部屋中どこを探し回っても見つからない。記憶をたどると、どうやら前夜乗ったタクシーに置き忘れてしまったようでした。

 志村さんは帰国後すぐにCM撮影の予定が入っていたので、帰国が遅れたら億の損害になるかもしれない……。だけど黙っているわけにもいかないので、意を決して志村さんに頭を下げ、カバンを置き忘れたことを伝えました。海外でモノをなくしたのですから、出てくるはずもありません。

“殴られるかな”と思いましたが、志村さんはひと言「あっそう。しょうがねえなあ」とだけ。

 一緒にロケに来ていたスウェーデン育ちの川上麻衣子さんがタクシー会社に電話をかけ、「カバン、ありました! しんちゃん(本名・信一)、よかったね」と言ってくれたときは、膝から崩れ落ちましたよ。

 帰国後しばらくして、なぜ怒らなかったのかを聞くと、志村さんはこう答えました。

「怒ってもお前が困るだけで、何も解決しないだろ」

 タバコやお酒が欲しいときに気づかないと怒るのは、言えば直せることだから。でもカバンの置き忘れを怒っても、カバンが出てくるわけではない、と。

 結局、付き人時代の7年間で怒鳴られるほど怒られたのは、遅刻したときと髪を緑に染めたときの2回だけでした。

※週刊ポスト2021年9月10日号

関連記事

トピックス

無罪判決に涙を流した須藤早貴被告
《紀州のドン・ファン元妻に涙の無罪判決》「真摯に裁判を受けている感じがした」“米津玄師似”の男性裁判員が語った須藤早貴被告の印象 過去公判では被告を「質問攻め」
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
Instagramにはツーショットが投稿されていた
《女優・中山美穂さんが芸人の浜田雅功にアドバイス求めた理由》ドラマ『もしも願いが叶うなら』プロデューサーが見た「台本3ページ長セリフ」の緊迫
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
スポーツアナ時代の激闘の日々を振り返る(左から中井美穂アナ、関谷亜矢子アナ、安藤幸代アナ)
《中井美穂アナ×関谷亜矢子アナ×安藤幸代アナ》女性スポーツアナが振り返る“男性社会”での日々「素人っぽさがウケる時代」「カメラマンが私の頭を三脚代わりに…」
週刊ポスト
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン