コロナ禍で20時以降の営業や酒類の提供停止の要請など、夜の街には逆風が吹き続けている。いま、彼女たちはどうしているのか。1925年に発足した一般社団法人銀座社交料飲協会(GSK)で理事を務める伊藤由美ママの店「クラブ由美」の営業に密着した。
「昨年4月から6月下旬までは完全に店を閉めていましたが、協会でもコロナ感染対策の基準を作り、それに基づいて各店舗を理事持ち回りで点検しています。
うちの店はビルの1フロアに4店舗あり、お客様からのご予約をいただいてから1店舗1組様で営業していますので、密にならずご安心してお飲みいただけます。と言っても、いまは緊急事態宣言中なのでお酒は出さずにお茶のみご提供しています。またお客様が気になさればアクリル板を設ける対策も取っています」
当日、ママの元に来ていた中小企業のオーナーのO氏(70)に話を聞いた。
「僕は下戸でお茶しか飲まないので宣言中でお酒の提供がなくても変わらず月2回ペースで通っています。もう25年ほどのお付き合いになります。いつもお店を貸切状態にしてもらっているから安心ですよ」
緊急事態宣言下の16~20時までの営業時間内では早々と来店するお客もいれば、夕方17時頃からの同伴で食事後に少しだけ寄るお客など、事前予約した客が来店していた。しかし、これまでは夜が主戦場であった銀座のクラブにとって、営業時間の変更や酒類自粛は大きな痛手だ。1日1組とはいえ埋めるのは容易ではない。それでも、由美ママはこう語る。
「ありがたいことに常連様のおかげでなんとか続けられていますが、いましばらくは粛々と営業していきたいと思います」
他の銀座のママたちは、この苦境とどう戦っているのか? 「名物ママ」4人の“コロナ対応”を聞いてみた。