ビジネス

「テレワーク特化型マンション」が急増中 クローゼットや壁面収納棚の有効利用も

寝室などのスペースをテレワーク用に活用する人が増えている(時事通信フォト)

寝室などのスペースをテレワーク用に活用する人が増えている(時事通信フォト)

 外出自粛、テレワークの増加で住まいの役割が大きく変わりつつある。中でも居住スペースが限られるマンションでは、共用施設にワーキングスペースを確保するなど、いわば“テレワーク特化型マンション”が続々と登場している。だが、そうした住まいは本当に利便性が高く住みやすいのか──。住宅評論家の山下和之氏が各社の物件を探ってみた。

 * * *
 リクルートでは、住宅を取得した人や購入を検討している人を対象とする調査の中で、コロナ禍の影響によって住まい選びの考え方がどう変わったかを質問している。

 その結果は別掲の表1にある通りで、「住居費がもったいない」が25%のトップだが、次いで「収納が狭い」「間取り(部屋の配置・数)が良くない」「遮音性能が低い/騒音が気になる」「住戸が狭い(専有面積)」などが続いている。

 ほかにも、「落ち着いて仕事できるスペースがない」「一人になれるスペースがない」など、住まいの狭さに起因する課題が上位に並んでいるのが大きな特徴だ。

【図表1】新居で解決したかった元の住まいの課題(複数回答・上位10項目、単位:%)─資料:リクルート『住宅購入・検討者調査(2020年)』

【表1】新居で解決したかった元の住まいの課題(複数回答・上位10項目、単位:%)─資料:リクルート『住宅購入・検討者調査(2020年)』

 コロナ禍でテレワークが増え、共働きだと夫婦ともに在宅時間が長くなる。また、子どもたちも感染を懸念して自主休校などが増え、家族全員が在宅する時間が長くなっている。

 そのため、住まいの中での圧迫感が強まり、落ち着いて仕事ができない、一人になれないなどのストレスが溜まり、それが家族のコミュニケーションを阻害し、家庭内暴力、ひいては離婚や家族崩壊などにつながっているのではないかと言われている。

暫定利用の「ワークインクローゼット」「変身クローク」

 そのため、分譲マンションや賃貸マンションではさまざまな工夫が行われるようになっている。

 住戸内にテレワークスペースがとれれば一番いいのだが、専有面積が限られる中では簡単ではない。しかも、コロナ禍もいつまでも続くものではないだろうから、日々の通勤が戻ってきたときには、無駄な空間になりかねない。もちろん、富裕層向けの専有面積が100平方メートル前後に達する物件だと、もともと書斎や趣味の部屋などがとれるので、それがワークスペースになり得るが、一般的なマンションではそうはいかない。

 そこでよく見られるのが、住戸内に暫定利用できるワークスペースを設置するというケースだ。

 たとえば、三菱地所レジデンスの分譲マンション「ザ・パークハウス」シリーズでは広めの収納を、「ウォークインクローゼット」ならぬ、「ワークインクローゼット」と呼び、必要に応じてワークスペースにできるようにしている。

 同様に、ポラスグループの「ルピアコート津田沼」(千葉県船橋市)では、「変身クローク」と名付けた、折り畳み式のテーブルを備えたクロークを設置している。テーブルを広げて椅子を持ち込めば、テレワークスペースとして利用でき、テーブルを畳めば広めのクローゼットに戻せる仕組み。実用新案を取得しているそうだ。

ポラスグループ「ルピアコート津田沼」の変身クローク(同社ニュースリリースより)

ポラスグループ「ルピアコート津田沼」の変身クローク(同社ニュースリリースより)

関連記事

トピックス

天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン