芸能

デビュー40周年の渡辺徹 「自分は何者なのか」悩んだ過去

劇団・文学座前にて

劇団・文学座前にて

 今年5月大動脈弁狭窄症で入院し、7月末に現場復帰した俳優・渡辺徹(60)。9月には親子3人初共演の舞台を控えるが、還暦&デビュー40周年という節目に、今何を思うのか。大病で入院するのは2度目という渡辺が、舞台にかける想いを語った。

2度の入院、舞台降板で焦燥感「ショックだった」

 公演中だったミュージカルを降板し、その後に予定していた舞台は全公演中止。2012年にも虚血性心疾患で心筋梗塞を患い入院、降板したことがある渡辺にとって、再び舞台をキャンセルせざるを得なかったことは「なかなかのショックだった」という。

「2回も入院、かつ舞台を降板してしまうと、信用度も含めて次はないんじゃないかと。これは相当なことになったなあという思いが最初は強かったですね。舞台は自分の“基本”なのに、自分の都合で降りざるを得なくなった。焦燥感にかられました」

 渡辺は1980年に文学座附属演劇研究所に入所し、今なお現役の劇団員。舞台は自分の根幹だという思いがある。しかし度重なる降板。自分の需要がなくなるかもしれないと弱気にもなったが、共演者のあたたかさと、妻で女優・榊原郁恵の「ジタバタしても仕方ないんだから、まずはしっかり自分の体調を整えること。それが皆さんへの感謝の気持ちになる。今は余計なことを考えない」という言葉に支えられた。

劇団に入る原体験は「生徒会長」での一件

「親父が“流し”をやっていたので、音楽は身近だった」という

「親父が“流し”をやっていたので、音楽は身近だった」という

 高校卒業まで茨城県古河市で過ごした。サッカーも吹奏楽もやる活発な少年は、小学校から高校までずっと生徒会長(児童会長)を務めた。

 高校生徒会長の時、学校の垣根を取り払ったイベントが何かできないかと考えた。それまでにも教育委員会が設けた、県下の高校生が集まって話す場はあったが、「進路」や「希望」など、大人が用意したテーマだった。でも、自分たちが本当に話したいことはそんなことじゃない。高校生主体で実行委員会を作り、形にしようと画策した。だが、費用、場所、公立と私立での考え方の違いなど、一筋縄ではいかないことばかりだった。

 最初は「やろう!」と盛り上がったものの、実行委員は1人減り2人減り、最終的に残ったのは自分と幼馴染ら周囲の人間だけ。もううまくいかないのかと心折れそうになっていた時、仲間から言われた言葉にハッとした。

「『徹、何をもって成功だと思うんだ、大勢集まるから成功というわけじゃないだろう? 人がいっぱい来ても来なくても、やろうと思ったことを自分たちの手で開催したということが大事だろ』って言われて。それもそうだなと」

関連キーワード

関連記事

トピックス

ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルの飛行機でスヤスヤ》佳子さまの“寝顔動画”が拡散…「エコノミークラス」に乗った切実な事情
NEWSポストセブン
ロスで暴動が広がっている(FreedomNews.TvのYouTubeより)
《大谷翔平の壁画前でデモ隊が暴徒化》 “危険すぎる通院”で危ぶまれる「真美子さんと娘の健康」、父の日を前に夫婦が迎えた「LAでの受難」
NEWSポストセブン
沖縄を訪問された愛子さま(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
天皇ご一家が“因縁の地”沖縄をご訪問、現地は盛大な歓迎ムード “平和への思い”を継承する存在としての愛子さまへの大きな期待 
女性セブン
TBS田村真子アナウンサー
【インタビュー】TBS田村真子アナウンサーが明かす『ラヴィット!』放送1000回で流した涙の理由 「最近、肩の荷が下りた」「お姉さんでいなきゃと意識しています」
NEWSポストセブン
バスケ選手時代の真美子さんの直筆サイン入りカードが高騰している(写真/AFLO)
《マニア垂涎》真美子夫人「バスケ選手時代」の“激レアカード”が約4000倍に高騰中「夫婦で隣に並べたい」というファン需要も 
NEWSポストセブン
来来亭・浜松幸店の店主が異物混入の詳細を明かした(右は来来亭公式Xより)
《“ウジ虫混入ラーメン”が物議の来来亭》店主が明かした“当日の対応”「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」「すぐにラーメンと餃子を作り直して」
NEWSポストセブン
家出した中学生を自宅に住まわせ売春させたとして逮捕された三ノ輪勝容疑者(左はInstagramより)
《顔面タトゥーの男が中学生売春》「地元の警察でも有名だと…」自称暴力団・三ノ輪勝容疑者(33)の“意外な素顔”と近隣住民が耳にしていた「若い女性の声」
NEWSポストセブン
田中真一さんと真美子さん(左/リコーブラックラムズ東京の公式サイトより、右/レッドウェーブ公式サイトより)
《真美子さんとの約束》大谷翔平の義兄がラグビーチームを退団していた! 過去に大怪我も現役続行にこだわる「妹との共通点」
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《「来来亭」の“ウジムシ混入ラーメン”動画が物議》本部が「他の客のラーメンへの混入」に公式回答「(動画の)お客様以外からのお問い合わせはございません」
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン