芸能

鈴木亮平、救命医からヤクザまで演じる凄み 監督、共演者らが明かす

鈴木亮平の魅力はどこからくるのか(写真/共同通信社)

鈴木亮平の魅力はどこからくるのか(写真/共同通信社)

「なんもかんも、ぶっ壊れりゃあええんじゃい!」。ドスの利いた広島弁をまくし立てながら、カタギも親分も見境なし。アイスピックを頭に突き刺し、目玉を抉り取り、生きたまま火をつける、暴虐と殺戮の限りを尽くすヤクザの組長──公開中の映画『孤狼の血 LEVEL2』の鈴木亮平(38)に観客が騒然としている。

 鈴木と言えば、7月クールのドラマ『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系)で患者の治療に命をかけるまっすぐな救急救命医を演じたばかり。9月12日の最終回では妹の命を奪った宿敵まで救う、どこまでも愚直な姿勢が視聴者の胸を打ち、平均視聴率19.5%を記録した。

〈勇気、希望、元気、全てをもらった〉
〈映画化を希望します〉

 放送終了後、SNSには視聴者の絶賛コメントが溢れた。鈴木はその裏で、銀幕に焼き付くほどの血まみれの狂気を見せているのだ。

「心の底から絶叫した」

「すごい振り幅ですよね」

 そう言って笑うのは、『孤狼の血』シリーズでメガホンを取る白石和彌監督(46)。広島県を舞台に暴力団と警察の血みどろの戦いを描いた同作で、ヤクザの組長・上林成浩を演じた鈴木の役作りに驚かされたという。

「とにかく役の入れ込みを始めるのが早い。方言のある台本の場合、2か月前くらいに方言のテープを作って役者さんに渡すのが通例です。上林は広島弁ですが、亮平君は撮影に入る半年前には台本に書いてある広島弁は全てマスターしていた。

 もう一つ驚いたのは、作中に出てこない、前作で殺された親分と上林の関係性を考察し、“こうですか”と直接問い合わせてくれたこと。親分と出会ってから今に至るまでの極めて細かい設定を、彼なりに作り上げているんです。私自身はそこまで深く設定を考えていたわけではなかったので、亮平君のおかげで上林の狂気に深みが出ました。

 劇中で坊主にする時も、“やります”と即答。次の仕事は大丈夫かと聞くと、“なんとかしますよ”とニヤリと笑うんです。頭が下がりますよ」

 劇中で鈴木に惨殺されるピアノ講師を演じた筧美和子(27)は、目の当たりにした彼の演技についてこう話す。

「どんな痛みがあるのか、体はどのようにこわばり、震え、どんな声で叫び声をあげるのか、撮影前は頭の中で何度も何度もシミュレーションをしました。そうして臨んだ本番だったのですが、想像以上に恐ろしい鈴木さんの言葉、表情、そして目に見えない殺気を感じ、心の底から沸き上がった絶叫でした。

 鈴木さんに呼応するように私の苦しみもリアルなものになったと思います。鈴木さんの本気の芝居が共演者の芝居のレベルすら上げてしまう。得がたい体験をさせていただきました。

 でもカメラがないところでは本当に優しくて常に気遣ってくださいました。私もこんな役者になりたいと思わされました」

関連記事

トピックス

同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
入場するとすぐに大屋根リングが(時事通信フォト)
興味がない自分が「万博に行ってきた!」という話にどう反応するか
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン