1980年代のハリウッドでは、数々の名作映画が生まれた。80年代映画を華麗に彩っていたのが、俳優たちだ。
映画字幕翻訳者・戸田奈津子さんは、海外の俳優らが来日した際などには通訳も行ってきた。そのためハリウッドスターからの信頼も厚く、多くの監督やハリウッド俳優との交流が続いているという。そんな戸田さんに、彼らとの思い出を振り返ってもらった。
「どの俳優さんも演技に真摯に向き合っていて、努力家。だからこそトップに上り詰めるのね。リチャード・ギアは正真正銘の日本愛好家で、20代の頃、『アメリカン・ジゴロ』で初来日した際、私が京都を案内したんです。するとたちまち魅了され、日本の文化を勉強して、いまでは彼が私に京都ガイドをしてくれるほどです」
リチャードはその後、敬虔な仏教徒となり、何度も日本を訪れているという。一方、トム・クルーズは別の意味で魅力的なスーパースターだという。
「トムは、お客さんを喜ばせるために命がけでアクションに挑んでいますよね。そのための役作りや訓練で常に多忙なのに、周囲へのケアを欠かしません。数十年ものつきあいになりますが、彼があの笑顔を消したり、疲れた顔、不機嫌な様子を見せたことは一度もありません。いつもやさしく、申し訳ないくらい気を配ってくれるんです」
彼らが大スターであり続ける秘密がよくわかる。
女性セブンは、読者を対象に80年代映画で活躍した俳優たちについてのアンケートを実施。人気ランキング1位から10位までを発表する。
1位 トム・クルーズ(1962年~)
『トップガン』(1986年)の大ヒットで人気を博し、以後、自ら体を張るアクション俳優として評価される。『レインマン』(1989年)、『7月4日に生まれて』(1990年)などでは、シリアスな演技も光った。1990年代後半からは、『ミッション:インポッシブル』(1996年)や『ラスト サムライ』(2003年)などで映画製作も手掛けた。
2位 マイケル・J・フォックス(1961年~)
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)で主役を演じて一躍スターとなり、同作の続編にも出演。ところが、1998年に若年性パーキンソン病であることを公表。その後も闘病生活の傍ら俳優業を続け、自伝『ラッキーマン』(2003年日本刊行)を発表。ベストセラーに。