斬新な設定や細部までこだわった演出などの他にも、平成ライダーの歴史で特筆すべき点がある。それが主演俳優だ。
『仮面ライダークウガ』(2000年)で主人公・五代雄介を演じたオダギリジョーを皮切りに、現在、テレビや映画に引っ張りだこの名前が並んでいるのである。
例えば、2007年の『仮面ライダー電王』でテレビ初主演を果たしたのが佐藤健。今では幅広い年齢層に人気を誇り、女性誌などの『好きな男性有名人ランキング』でも上位の常連だ。
その翌年、『仮面ライダーキバ』で瀬戸康史、2011年の『仮面ライダーフォーゼ』では福士蒼汰が主演を務めている。ちなみにこの『フォーゼ』ではセカンドライダーのメテオというライダーがいたが、これを演じたのは吉沢亮だった。
また2018年に『あゝ、荒野 前編』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した菅田将暉もライダー出身。2009年の『仮面ライダーW』で桐山漣とともにダブル主演を務めたが、この作品がテレビドラマ初出演だった。
他にも水嶋ヒロ(2006年『カブト』)、竹内涼真(2014年『ドライブ』)、主演ではないが要潤(2001年『アギト』)などもライダーシリーズの出演から大きな飛躍を遂げた。華やかな未来を夢見る俳優の卵たちにとっても、仮面ライダーは憧れの存在なのである。
※週刊ポスト2021年10月8日号