ワクチンを接種したら、もうマスクはいらないし、宴会も解禁に向かうと思っていた人は少なくない。なぜ今もマスクをして自粛し続けなければならないのか。
小林よしのり氏(漫画家)と井上正康氏(大阪市立大学名誉教授・医学者)の対談本『コロナとワクチンの全貌』(小学館新書)より、日本人の根深い問題について論じた部分を抜粋・再構成して掲載する。
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小林:なぜ世間一般でマスクの評価が変わったかというと、欧米の人たちは流行初期の頃、全然マスクをしていなくて、日本人は几帳面に、マスクや手洗い、うがいをしていて、欧米と日本で被害が桁違いだということがわかってきたら、「マスクのおかげだ」と思い込んだからですよね。だけど、欧米人がマスクをし始めても、全然減らなかったじゃないですか。日本並みにまで下がったかといったら、全然そんなことない。
日本人にしても、ウレタンマスクという、何もかも素通しの“なんちゃってマスク”をしている人がけっこういて、こういう人たちはマスクをしていないも同然なんですよ。マスクをしているように見えるだけで、していないも同然。そういうのはOKなのに、マスクせずに店に入ろうとしたら、やいのやいの言われる。なんなんだよ、それ。
井上:科学的に効果があるかないかではなく、日本人が気にするのは“人の目”ですからね。
小林:しかも、ワクチンを打ったら、もうマスクしなくていい、みんなマスクをはずすにはワクチン打つしかないって言っていたのに、いざワクチン接種が始まったら、「ワクチン打ってもマスクははずすな」と言い出す始末ですよ。