現在放送中の仮面ライダー生誕50周年記念作品『仮面ライダーリバイス』(テレビ朝日系)。主人公・五十嵐一輝役に抜擢された22歳の前田拳太郎に、作品への意気込みを訊いた。
* * *
おかげさまで、9月5日に新シリーズ『仮面ライダーリバイス』の第1話が放送されました。
その直後から、たくさんのメールが届き、本当にありがたかったです。昔から仮面ライダーを観続けている友人からも「よかったよ、面白かった」ってメールが届いて、ホッとしましたね。
この『仮面ライダーリバイス』は仮面ライダー生誕50周年記念作品になるわけですが、プレッシャーは、めちゃめちゃあります。歴史の重さも感じています。初めて変身するシーンでは、ベルトを身に着け、先輩たちがそうしてきたように、自分も「変身!」の2文字を叫んだ瞬間、ブワッと身震いがしましたから。
この作品で皆さんに楽しんでいただきたいのは“日常”ですね。僕の役どころは町の銭湯の長男。父と母が健在で、弟と妹がいる。長男として、いつも家族の幸せを願っている。そんな平凡な日常の中に悪魔が舞い降り、戦いが始まるわけですが、描かれているのはあくまでも平凡な日常の大切さだったりするんです。
誰にでも、どこにでもある普通の日常のライダーとでもいえばいいのか、“すぐ隣にいる仮面ライダー”だと思ってもらえれば嬉しいです(笑)。
悪魔の囁きが聞こえた
実は、主人公の五十嵐一輝に抜擢されるまでは精神的にきつかったんです。
高校生まで空手を習っていて、大学進学を機に新しいことにチャレンジしたいと『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』に応募したのですが、ファイナルに残れず。そのうちコロナ禍になり、自粛生活を強いられているうち、役者の夢を諦め就職したほうがいいんじゃないかと考え始めたんです。その時は「そうしろ」と、それこそ悪魔の囁きが聞こえたりして(笑)。
そうやってひとり、部屋で自問自答を繰り返しているとき、ふと自分の心を変えなければ前に進めないと気づいたんです。昨日の自分に負けちゃダメだ。弱くなりそうな心を変えろ、自分はまだ若いじゃないか、夢を諦める必要なんかないと言い聞かせていました。
自粛生活はしんどかったですけど、あの自問自答の日常があったからこそ、僕は仮面ライダーリバイスに変身できたんです。
【プロフィール】
前田拳太郎(まえだ・けんたろう)/1999年、埼玉県出身。2021年7月からLDH JAPAN所属。運動神経抜群で、空手やダンスの全国大会で優勝経験も。
写真提供/東映株式会社
※週刊ポスト2021年10月8日号