『ライオンキング』23年目の再出発 稽古期間中の劇団四季に迫る
22年続く劇団四季ミュージカル『ライオンキング』の舞台裏に迫る
稽古場では常に真剣
一糸乱れぬダンスも圧巻
息子シンバを愛するプライドランドの王ムファサ
狂気、コンプレックス、哀愁…敵役ながら複雑な魅力を持つスカー
長老の呪術師であるヒヒのラフィキは、プライドランドのシャーマン的な存在
「スカーのゆがんだ心を表すため、マスクは左右非対称。体の重心も斜めにしていることが多いんですよ」と語るスカー役の飯村和也
「右手のリモコンには2つのスイッチが。この2つを組み合わせることで、複雑な動きが可能になります。ちなみに、スカーの兄・ムファサのマスクは1つのスイッチで動かします」(飯村)
スカーのマスクは、前にせり出したり上を向いたり、さまざまな動きが可能。「舞台上では、私自身の目とマスクの視線の両方が相手に合うよう演技します。例えばヤングシンバと会話する場面はマスクを大きく下に向けるため、首にはかなり負担がかかりますが、どう演じているかぜひ注目してください」(飯村)
たてがみは七面鳥の羽でつくられている
右手でパペットの表情を作り、左手で翼を動かす。重量は1.5kg。「首から胴の羽根はポリエステルで、脚は硬質ウレタン。なるべく軽量化を図っています。首には収縮自在のバネのおもちゃを使っています」(小道具担当チーフ・早川奈帆子さん)。
「親指と人差し指のグリップの先に目と口を開閉する糸が張られているのですが、俳優の指に合わせ、1mm単位で調整しています」(前出・早川さん)。指を酷使するので苦労する人も。
難役・ザズの操作は指先数ミリでの糸使い
ザズ役・井上隆司。軽妙な語り口とパペットの動きが絶妙! ザズの歌う「朝のご報告」は語呂合わせが楽しく大人気
長老の呪術師であるヒヒのラフィキが王の子・シンバの誕生をプライドランドの民に告げる
無邪気にまとわりつく甥のシンバ(宮澤伶輔)をスカーは疎ましく思い…。
幼なじみのナラ(立花莉愛)とシンバはダチョウに乗って大はしゃぎ。子守を命じられたサイチョウのザズは大わらわ。
ある事件をきっかけに王国を飛び出したシンバは、ミーアキャットのティモン(近藤聡明)とイボイノシシのプンバァ(荒木勝)と気ままに暮らしていた。
ある日、シンバ(山下啓太)は幼なじみのナラ(中原詩乃)と偶然の再会を果たす
動物たちの王国の象徴でもある「プライドロック」は、いちばん高いところで地上約4m! 床下に大きな穴が開けられ、複数のチェーンモニターで2tの鉄骨を吊り上げ、組み立てていく
組み立てた後は、不具合がないかをさまざまな角度から調べる。車輪に異物が挟まっていないか、スタッフがチェック中
アフリカンビーズや貝殻などの装飾で衣装の総重量は6kgを超える
プンバァ(左)と子供時代のシンバ(中央)、ティモン(右)の掛け合いも見どころの一つ
ハイエナたちと手を組みプライドランドを乗っ取ったスカーだが…
ザズはプライドランドの王家の忠実な執事
舞台上での躍動感溢れる動きは必見
サイチョウであるザズを巧みに表現
大人になったシンバと美しく成長したナラ
シンバはナラに、プライドランドのスカーの悪政ぶりを聞かされる
ナラはスカーに妃になるよう迫られる
プライドランドを乗っ取った後も、亡き王ムファサの影におびえる日々を送るスカー
かつての王国を取り戻すべく、プライドランドに戻る決意をするシンバ