人や動物はなぜウイルスに感染するのか。ウイルスは人の命を無慈悲に奪う存在ではあるが、生物の進化とも深い関わりがある。
小林よしのり氏(漫画家)と井上正康氏(大阪市立大学名誉教授・医学者)の対談本『コロナとワクチンの全貌』(小学館新書)より、自然界にウイルスが存在する理由を語った部分を抜粋して掲載する。
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小林:みんなね、「ウイルスとは病気を引き起こす恐ろしいもの」としか捉えていないんですよね。わしは新型コロナウイルスが入ってきて、大騒ぎになったときに、自分で統計データを調べたり、「この人なら」と思える人に話を聞いたりしてきたんですが、「そもそもウイルスとは何か」ということも勉強してみたんですね。
そしたら、我々人間の遺伝子には、ウイルス由来の遺伝子が組み込まれていると知って、 衝撃を受けたんです。遺伝子というのは親から子へ、垂直に伝わるものだと思っていたら、 横からウイルスによって水平に入ってくることもあるんだと。
井上:遺伝子の進化には垂直と水平の経路があるわけですね。
小林:遺伝子が横から入り込んでくることにビックリした。
井上:親から子への垂直が99.9%以上でメインストリームですが、ごく稀に横から入ってくるんですね。