稲見萌寧(22)と小祝さくら(23)の一騎打ちだった女子ゴルフの賞金女王争いに西村優菜(21)が割って入った。2週連続優勝で賞金ランキング3位に急浮上。トップの稲見に5300万円差に迫った(9月26日時点)。シーズン終盤は優勝賞金3000万円超えの大会が続き、逆転女王も射程圏内だ。
「大阪・堺市生まれの西村は5歳でゴルフを始め、小学6年生の時に『フジサンケイジュニア』で男子選手を抑えて優勝。大商大高校に進学後も実績を重ね、2019年11月のプロテストで一発合格するとルーキーイヤーに優勝を果たした」(担当記者)
小祝や渋野日向子(22)ら1998年生まれの「黄金世代」が注目されるが、素材的には西村と同い年の2000年生まれのプラチナ世代が上とも言われる。
「今季3勝の古江彩佳(21)、日本女子アマを制した経験のある吉田優利(21)、安田祐香(20)ら期待の選手がずらりと並ぶ。西村は同じ関西出身の安田や古江と仲が良く、練習ラウンドなどではバリバリの関西弁で話している。ただ、インタビューでは関西弁は使わない。“きつく聞こえないか心配”と気にしているそうです」(ツアー関係者)
ゴルファーとしては不利な身長150センチという小柄な体格。ドライバー平均飛距離は230ヤードと女子プロでは“飛ばない”部類で、同い年の吉田には20ヤード以上置いていかれることも。
「そこで西村は徹底してショートアイアンの練習に重点を置く。アマ時代から100ヤード以内、グリーン周りの練習に8割の時間を割き、ショートアイアンは抜群のコントロールを誇ります。“ゴルフは飛距離だけではない”と断言します」(同前)
その強い精神力には目を見張るものがあるが、「アマ時代は成績が悪いと一人で泣きじゃくるネガティブな性格だった。メンタルトレーナーの指導を受け、シーズン中も自分のいいところを毎晩ノートにつけている」(同前)というのだ。
小さな体で、ビッグタイトルを掴めるか。
※週刊ポスト2021年10月15・22日号