配偶者が亡くなったあと、遺品をどう整理していくかは、大きな問題だ。大切にしていたものを簡単に手放すことも難しいし、かといってそのままにしていいものだろうかと迷ってしまう……。
「主人が亡くなってひとりになって、こんなに寂しいとは思いませんでした。周りにいる夫を亡くした仲間たちは『せいせいした』なんて言ってたけど、主人が隣にいるのが当たり前だったから、本当にいたたまれなくなって、ひとりでいられなくなっちゃって……」
そう話すのは、2019年12月に夫の梅宮辰夫さん(享年81)を亡くした、妻のクラウディアさん(77才)だ。
梅宮辰夫さんといえば、昭和を代表する銀幕の大スター。出会った当初は「夜の帝王」の異名を持つプレーボーイだったが、「床の間に飾っておきたい」というほどクラウディアさんに惚れ込み、一粒種のアンナ(49才)とともに溺愛していた。
辰夫さんは1974年、36才のときに睾丸がんを発症したが治癒。その後、計6度ものがんを克服したものの、がんは体中に転移していて、100kg近くあった体重が半分ほどになっていた。
2019年、東京の自宅を処分し、神奈川・真鶴町の別荘を終の棲家と決めて家族で移住。1回4時間の人工透析を週3回受ける闘病生活を送っていた。
「それでも、死ぬなんて全然思っていなかったの。透析のない日は朝から買い物に出かけ、好きな食材を買ってくる。塩っ辛いものが好きなんだけど、自分は塩分も水分も制限されてるから、料理するだけで食べられない。それでも最後まで料理は主人がしてくれていました」(クラウディアさん・以下同)