テレビドラマなどが火付け役となり、“サウナブーム”が続いている。熱いサウナと水風呂を行き来して汗を出すことでデトックス効果が見込めるというが、年を重ねてから通い始めるのは危険を伴う可能性がある。新潟大学名誉教授で医師の岡田正彦さんはいう。
「発汗すること自体は悪くないのですが、熱いサウナ室と冷たい水風呂を行き来することで体温が激しく上下します。その結果、血管には大きな負担がかかる。特に体に不調を感じるときは避けた方がいい」(岡田さん)
サウナと同じく発汗を促すホットヨガにも、医師たちは懐疑的だ。秋津医院院長の秋津壽男さんが解説する。
「本来のヨガは体に負担をかけずに行うもの。大汗をかいて行うのは不自然なうえ、高温の部屋は脱水症状のリスクが上がり、その結果、心筋梗塞を発症するケースも。よほど慣れていたり健康に自信がない限り推奨できません」
日に日に気温が低下しつつあるこれからの季節、風邪対策は必須。だが間違った方法には注意してほしい。
「特に気をつけたいのが防寒対策の重ね着です。外の寒さと室内の温かさの温度差で汗をかき、かえって体が冷え、風邪をひきやすくなる。寒さに体を慣らすためにあえて少し薄着を意識する方が健康に過ごすことができます。冷え対策のために就寝時に靴下を履くのも推奨できない。足が蒸れて冷えたり締めつけられて血行が悪くなったりして逆効果です」(秋津さん)
就寝前に体を温めるための入浴時のひと工夫も、残念ながら“気休め”である可能性がある。
「お湯に入れるバスソルトや温泉の素は、確かに湯あたりをなめらかにする効果はあるものの、そのほかの健康効果についてはほぼエビデンスがない。実は温泉も同様で成分がどう体に作用して病気を治すか、はっきりした根拠があるわけではなく、いわゆる“温泉療法”は、日常から離れて体を休めることそのものに健康効果があるのではないかと考えられます」(秋津さん)
※女性セブン2021年10月21日号