解説・松木安太郎氏が叫ぶ「おい!」の回数が減れば、日本のワールドカップ出場が近付くというのは本当か? サッカー日本代表が10月12日、カタールW杯アジア最終予選でオーストラリア代表と戦う。最終予選3試合を終えて、日本は1勝2敗でグループB組3位。2位以内ならW杯出場決定、3位で終わればアジア、大陸間のプレーオフに回ることになる。地上波ではテレビ朝日が生中継し、解説には松木安太郎氏、中田浩二氏、内田篤人氏、実況は寺川俊平アナウンサーが務める。“絶対に負けられない試合”でどんな放送が展開されるのか。松木安太郎研究家でライターの岡野誠氏が話す。
「いつも以上に、松木さんが『おい!』と叫ぶシーンが増えると思います。負けられない一戦になると、基本的に『おい!』の頻度が上がりますからね。たとえば、2019年のアジア杯で予選リーグ2試合目のオマーン戦での『おい!』は4回でしたが、決勝トーナメント1回戦のサウジアラビア戦では『おい!』が33回も全国に轟いています(※いずれも『おいおい!』など連続したら一塊と考えず、1つずつ数えた場合。以下同)。ただ、ピンチの数が少なかったり、僅差にならなかったりすれば、『おい!』は少ない。3対0で勝った準決勝のイラン戦は11回、早めに先制されて1対3で敗れた決勝のカタール戦ではわずか5回しか叫んでいませんでした」(以下同)
この話を真面目に受け取るとすれば、日本代表はいかに松木氏に「おい!」と叫ばせない試合運びをできるかに懸かっていると言えるだろう。ただし、前回の中継である9月2日のオマーン戦では0対0が続き、後半43分に先制ゴールを許すという展開だったにもかかわらず、いつもと比べて「おい!」の数が少なかったという。
「前半8回、後半6回の計14回で、そのうち13回は相手の攻撃場面でした。『おい!』を連発するシーンはオマーンがドリブルでエリア内に入ってきた前半12分、日本が左サイドでかわされた後半28分の2回だけでした」
「おい!」の数が示すように、前回のオマーン戦の中継ではいつもと比べて松木氏が静かだったという。
「有観客だったとはいえ人数も少なかったですし、サポーターもコロナ禍以前のような歓声は上げられなかった。ある程度は周りの雰囲気に乗る面もあるでしょうから、スタジアムが静かだったことの影響もあるでしょう。また、今までは松木さんと同じようにテンションの高い中山雅史さんとのダブル解説でしたが、オマーン戦でコンビを組んだ内田篤人さんは冷静でした。誰とコンビを組むかで変わってくる面も少しはあるような気がします」
松木氏は、代表戦では普段サッカーを見ない視聴者にもわかりやすく、興味を持ってもらえるような解説を心掛けているという。
「フランスW杯予選の頃の放送を聞くと、非常に落ち着いていらっしゃいます。今は敢えて自分がピエロになって、試合を盛り上げてくれる本当に素晴らしい方です。今回のオーストラリア戦では、どんな名言が飛び出すかにも注目したいです」
日本が勝って、松木氏が「よーし!よしよし!」と喜ぶ姿を見たい。