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言論の自由に含まれる「落選運動」ネガティブキャンペーンとの違いは

「落選運動」で気を付けるポイントは?(写真/EPA=時事)

「落選運動」で気を付けるポイントは?(写真/EPA=時事)

 いよいよ迫る総選挙。全国の有権者が「1票」を行使して政治に物言う番がやってくる。総選挙で投票したい候補がいないなら、有権者が「ためにならない」と考える政治家を懲らしめる方法がある。それが落選運動だ。一言で言えば、国民が候補者の素行や過去の言動をチェックしてその事実を他の有権者に広く知らせ、当選させないようにする。やり方は、ネットやSNSでもいい。

 今年8月の横浜市長選で落選運動を展開した弁護士の郷原信郎氏が語る。

「日本では政党の候補者の選定過程が不透明かつ恣意的で、候補者の資質や能力を確認するプロセスが不十分です。世襲候補もそうですが、選挙に勝ちそうな候補さえ選べばいい、政党への支持を票にすればいいという風潮がある。小選挙区だと政党の争いになるから候補者個人の資質があまりに問われないが、そういう人物が当選して問題のある言動をする。それでは国民が不幸になってしまいます。

 落選運動というものがこれまであまり行なわれてこなかった日本でいざ自分がやってみると、非常に重要だと感じました」

 落選運動は、誰でも一人で始めることができる。そして、今すぐにでも始めることができる。

 来る総選挙を前に、落選運動の方法を確認しておこう。前回総選挙で「落選運動を支援する会」を立ち上げた憲法学者の上脇博之・神戸学院大学法学部教授が語る。

「落選運動とは、政治家の法令違反はもちろん、道義的にも問題ある言動をした政治家を具体的に名指しして批判し、こんな言動をする人間に国会議員の資格はないと国民に伝える表現活動であり、憲法で保障されている言論、表現の自由に含まれます。

 国民の多くが誤解しているようですが、特定の候補者を当選させる目的で行なわれる選挙運動と落選運動は違います。選挙運動は、公示・告示日から投票日の前日までと期間が決まっており、それ以外は選挙運動ができませんが、落選運動はいつでもできます。次期衆院選の日程が明らかになっていない今からでも、投票日当日でも落選運動は可能で、具体的に名前を挙げながら運動することもできます」(上脇教授)

 具体的なやり方としては、街頭で落選運動対象の政治家について、これまでの問題言動をチラシなどを配ってアピールしたり、ツイッター、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSや、ホームページやブログといったネットを使って拡散する方法などがある。

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