ビジネス

大学全入時代に立ちはだかる「キャンパス移転」 青学、中央など都心回帰の行方

青山学院大学(東京・渋谷区)

青山学院大学(東京・渋谷区)

 いよいよ大学全入時代の到来だ。

 日本私立学校振興・共済事業団によると、今年の私立大学の総入学定員は49万5162人だったが、入学者数は49万4213人にとどまり、入学者が定員を949人下回った。これは調査開始以来はじめてのことだという。受験生が希望を別にすれば、どこかの大学に入学できるということだ。

 定員充足率は99.81%で、昨年の102.61%から2.8ポイントのダウン。定員割れ大学も277校、全私立大の46.4%に達した。

少子化で進められた大学の「都心回帰」

 こうなった理由は大きく2つある。ひとつが受験生数の減少だ。高校卒業者数は2.6%減、浪人生は2割と大きく減少した。

 今年の入試はセンター試験が共通テストに替わるなど、大学入試改革が行われたため、浪人せずに昨年の内にどこかの大学に入学する受験生が多かったようだ。さらに、留学生の減少も大きく影響したとみられる。コロナで留学生が入国できずに、大学入学できなかったからだ。

 定員充足率を地域別にみると、3大都市圏が100.56%だったのに対し、それ以外は97.3%だった。今年の入試では地元志向が強かったが、やはり受験生の多い大都市のほうが入学者は多かった。

 今後も少子化は進行し、18歳人口も減少する。大都市圏への人口集中が起き、大学も学生募集を行うのなら大都市圏でとなる。さらに、人口が密集する都心のほうが、交通の便が良くて通いやすく、様々な面でメリットがある。そのため、大学も都心へのキャンパス移転を積極的に進めてきた。

キャンパス移転を進めてきた主な大学

キャンパス移転を進めてきた主な大学

関連記事

トピックス

九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
“鉄ヲタ”で知られる藤井
《関西将棋会館が高槻市に移転》藤井聡太七冠、JR高槻駅“きた西口”の新愛称お披露目式典に登場 駅長帽姿でにっこり、にじみ出る“鉄道愛”
女性セブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン