国内

首都直下型地震や南海トラフ地震「いつ起きてもおかしくない」と専門家

(時事通信フォト)

10月7日の地震で駅構内で夜を明かした人もいた(時事通信フォト)

「地震です、地震です」。東京都江東区に住む佐々木綾子さん(仮名・56才)の家族4人のスマホから一斉に警報が鳴り響いたのは、彼女がお風呂に入った後、ドライヤーで髪を乾かしながらテレビを見ている最中だった。

 佐々木さんが住むマンションは、いわゆるタワーマンションと呼ばれる超高層マンション。40階に住む彼女は、警報を聞いた直後、下から突き上げるような「ドン」という衝撃を感じた。強い横揺れが始まり、なんとか家族全員で食卓の下に潜ろうとしたが、立っていることさえままならない。皿やグラスが音を立ててぶつかり合い、リビングの液晶テレビはいまにも倒れんばかりに、前後に激しく揺れている。目の前にある棚からは、家族写真を入れたフォトフレームが落ち、ガラスが粉々に砕け散った──。

 同時刻、足立区の舎人公園駅付近を走る日暮里・舎人ライナーの車内は阿鼻叫喚のるつぼと化していた。

「駅を出て間もなく突然減速し始め、車体が大きく横に揺れたんです。急ブレーキがかかった衝撃と横揺れで多くの人が座席から投げ出されました」(乗り合わせた男性)

 騒然とする車内に、「医師のかたはいませんか」と言う女性の声が響いた。見ると、座席に腰かけていた30代くらいの女性が、後頭部にけがを負い、首元が血で染まり始めていた。

「揺れで後頭部をぶつけ、切れてしまったようです。居合わせた20代の男性が止血を行った後、救急搬送されました」(前出・乗り合わせた男性)

 10月7日22時41分、千葉県北西部を震源に地震が発生。埼玉県川口市や東京都足立区などで震度5強、そのほか関東の広い範囲で震度5弱の揺れが観測された。震源の深さは75km、地震の規模を表すマグニチュードは5.9と推定される。東京23区や埼玉県で震度5強を観測したのは、東日本大震災以来だった。

 幸いにも津波は発生しなかったが、重軽傷者は5都県で32名。水道管の破裂などによる漏水が30か所で確認され、鉄道への影響も大きかった。日暮里・舎人ライナーが脱輪したほか、山手線など首都圏の在来線16路線で運休や大幅な遅れが発生。駅には帰宅難民があふれ、タクシー乗り場には長蛇の列ができた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン