一時は全国で1日1万人を超える新型コロナウイルス感染者が出ていたが、感染者が激減したことで、少しずつ日常が戻ってきた。
ワクチン接種を2回終えた人たちが“再開”していくと考えられるのが「通院」だ。昨年11月、産経新聞と大阪病院が、全国の中高年の男女3118人に行なった調査では、コロナ禍における「体調の変化や不安、気持ちの変化」に対して、50.4%が「特に何もしなかった」と答えている。
そうやって受診を控える間に、コロナとは別のリスクが私たちの体を蝕んでいる。ナビタスクリニック川崎の谷本哲也・内科医が指摘する。
「欧米では自粛生活で体重が増えた患者が激増して、肥満のパンデミックが大問題となっています。日本でも日々の診療のなかで体重が増え、様々な検査値が悪くなっている方は少なくありません」
コロナが落ち着いた今、体の不調を治すため通院を再開する人は多いが、このタイミングで気をつけたいことがある。新潟大学名誉教授の岡田正彦医師が語る。
「医療が複雑化した現代では、同じ症状でも医師や病院によって診断や治療が異なるケースが多く、医療サイドの能力次第で、重要な病気が見落とされたり、患者が不必要な治療を施されるリスクが生じます。だからこそ通院を再開する前に、適切な医療を行なう医師や病院を見極めることが大切です」
「それはストレスが原因ですね」
ではどのように「いい病院」「いい医師」を見分ければいいのか。本誌・週刊ポストは岡田医師監修のもと、見分けるためのチェックリストを作成した。岡田医師が見極めの際の指針としてあげたのが、「医師が患者の人格を尊重するか」「過剰医療はないか」「環境の整った病院か」の3つだ。以下にそれぞれのポイントを紹介していく。
■医師に「詳しい質問」をすると不機嫌になった
患者の人格を尊重するかを知る手がかりは、「医師の態度」にある。最近はネットも発達し、メディアの医療特集などから情報を得て、治療や検査の疑問点を医師にぶつける患者が増えた。
「患者に難しい質問をされて不機嫌になる医師は避けたほうがいいと考えます。わからなく不安で質問する患者に、誠実に対応しない医師から安心感は得られません」(岡田医師)
■問診の際に「ストレス」という言葉を多用する
病気の原因などの説明が丁寧でない医師にも注意したい。
「患者とコミュニケーションを取らず、『ストレスのせいでしょう』の一言で片づける医師も避けたほうがいい。医学的にストレスで症状が出るケースはありますが、苦しくて病院を訪れた患者に対して、『ストレス』の一言で片づける医師は説明が足りず、患者の人格を尊重しているとは思えません」(岡田医師)