眞子内親王と小室圭氏の結婚が与える影響は実に大きい。重くのしかかってくるのが「女性宮家」の問題だ。
〈女性皇族が結婚後も皇籍を維持するよう求めた有識者会議の案を基に、天皇陛下の長女愛子さまが天皇ご一家に残り、秋篠宮家の次女佳子さまが秋篠宮家を継ぐことを念頭に置く〉
9月6日、共同通信は天皇一家と現存の4宮家を存続させる構想が政府内にあると報じた。
具体的には、女性宮家を創設し、佳子内親王が秋篠宮家を継ぐとの内容だ。天皇、秋篠宮皇嗣の次の世代の男子皇族は、皇位継承順位2位の悠仁親王しかおらず、天皇を支える皇族の減少はこれまでも大きな課題だった。
2012年には野田内閣が「皇室制度に関する有識者ヒアリング」を設置し、女性皇族の婚姻による皇族数の減少と皇室活動の安定的維持を議論した。
そこで示されたのが、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する女性宮家の創設案だった。当時は結論が出ないまま議論が下火となったが、今回改めて、佳子内親王が結婚後も皇族に残る案が示された形だ。
だが女性宮家が実現すると、眞子内親王と佳子内親王に「立場の違い」が生じることになる。
「眞子さまは小室さんとの結婚で皇籍を離脱して民間人になる一方、佳子さまは結婚後も女性宮家で皇族として残り、公務をこなすことになります。姉妹で民間人と皇族とに立場が分かれることになります」(皇室ジャーナリスト・神田秀一氏)
佳子内親王は幼い頃からフィギュアスケートを嗜み、高校からダンスに熱中した。大学に入学すると「美しすぎるプリンセス」として一挙手一投足が注目され、“佳子さまフィーバー”が起きた。
60年以上の皇室取材歴を誇る皇室ジャーナリストの渡邉みどり氏が指摘する。
「眞子さまと同じように、佳子さまもICUに転学し、ダンスやフィギュアスケートにも取り組んでこられるなど、従来の皇室観にとらわれない考えをお持ちです。そんな佳子さまが、女性宮家の当主になることをすんなりと受け入れるとは考えにくい。英国留学などで海外王室のこともご存じなので、特に結婚後は、自由に行動したいという思いがあるのではないか」
毎日新聞でも、女性宮家の創設について、〈女性皇族方は現行制度を前提とした人生設計を描いているはず〉〈女性皇族方のお気持ちやご意向を十分に尊重できるよう考慮してもらいたい〉とする宮内庁関係者の証言が報じられており、佳子内親王の意向に添うものではないとする見方は強い。
※週刊ポスト2021年10月29日号