4年ぶりの衆院選挙が行われる(10月31日投開票)。この間、政治家の不祥事や失言が相次ぎ、消費税が増税され、コロナ失政で国民は苦しめられた。そうした政治に有権者の審判が下される。
『週刊ポスト』は、選挙情勢分析に定評がある政治ジャーナリスト・野上忠興氏の協力を得て、解散直前の10月12日時点の野上氏の情勢分析から、各小選挙区と比例代表を合わせた全465議席の当落、各党獲得議席をシミュレーションした(別掲表参照)。
では、国民を怒らせたあの不祥事議員、失言議員たちはどんな選挙戦を強いられているのか。西日本を中心に注目選挙区の動向を見ていこう。
北陸・信越ブロック
新潟1区はスキャンダル議員対決。自民党は秘書への暴行問題で離党した石崎徹氏に代えて、麻生太郎・副総裁の元秘書で「忖度発言」(※注)を批判されて前回参院選で落選した塚田一郎・元国交副大臣を擁立。
【※注/国土交通副大臣だった2019年4月に福岡県知事選の応援演説で、道路事業計画を巡って安倍晋三・前首相らに「忖度した」と発言】
スキャンダル議員の後任にスキャンダル元議員をあてるという無反省なやり方だが、その石崎氏が維新公認で出馬の姿勢を見せているからモラルなき戦いの様相。
東海ブロック
静岡5区は自民党入りを希望する“元・野党のホープ”細野豪志氏(二階派加入)が岸田首相直系の自民現職・吉川赳氏と対決。選挙戦は細野氏が優勢だが、後ろ盾の二階氏が事実上失脚し、当選しても自民入党を認められるかは微妙とみられている。
近畿ブロック
大阪3区では自公協力で公明党現職の佐藤茂樹氏が当選を重ねてきたが、そこに自民党の元大阪市議・柳本顕氏が無所属で出馬を表明。最終的に柳本氏は比例に回る調整が進むが、両党は大阪都構想の住民投票でも対応が割れており、しこりは大きい。
大阪では維新が躍進、自公両党とも議席を減らしそうだ。緊急事態宣言下の“銀座通い3人衆”の残り2人、大塚高司氏(大阪8区)は出馬断念に追い込まれたが、奈良3区の田野瀬太道氏は当選ラインと、同じ不祥事を起こしても明暗が分かれている。