ボディビルディングの国際大会であり、その最高峰とされるミスター・オリンピア(Mr.Olympia)が10月10日、米フロリダ州オーランドで開催され“ビッグラミー”ことマムド・エルスビエイ選手(37)が優勝。2017年大会以来の連覇者登場となり、話題になっている。
同大会は1965年に始まったプロコンテストであり、ボディビル界の最高峰。出場に必要なIFBB(国際ボディビルディング連盟)のプロ登録が獲得できた日本人も過去数人という狭き門。入賞者は、腕周り60cmに到達したり肉厚のシルエットなのに細部まで絞り込まれた筋肉をしていたりする、「モンスター」たちだ。今回優勝したビッグラミーも「体重約130kg、バルク(筋肉の厚さ)たっぷりのデカさが目を引き、それでいて大腿四頭筋などの深いカット(筋肉の境目の堀り)も圧倒的で、強かった」(ボディビル業界を取材しているライター)という。
ビッグラミー選手が注目されているのは久しぶりの連覇者となったからだ。同大会では、過去には8連覇した怪物・ロニー・コールマン選手(57)や、6連覇しハリウッドスターにもなったアーノルド・シュワルツェネッガー(74)など、長年にわたり優勝を重ねて「王朝」を築き人気となった選手も多かった。4年も連覇者が出なかったのは1980年代はじめ以来のことだった。
「他を寄せ付けないで優勝を重ねる『安定感』を楽しむファンも多いのがボディビルの特徴で、8連覇のロニー選手は、ボディビルファンの間では同選手のトレーニング時の掛け声まで流行ったほどでした。アーノルド・シュワルツェネッガーも世界にボディビル人気を広めるほどの影響力がありました。ミスター・オリンピア連覇者こそ、ボディビル界を盛り上げることができるのです」(同前)
ちなみに、ロニー選手の最後の優勝は41歳時(2005年)、シュワルツェネッガーも33歳時(1980年)、最近の7連覇目(フィル・ヒース選手が2017年に達成)も37歳時で、「長年磨かれ続けた筋肉」が見られるのも同大会の醍醐味だ。
長く存続する王朝になるか、注目される。