国内

甲府放火・逮捕19才少年 計画性の高さと「少年法改正まで半年」のタイミング

全焼した井上さん宅

全焼した井上さん宅

「少年法」が未成年の犯罪者を庇護するのは、「未熟ゆえの犯行であり、更生の余地がある」という前提に立つからだ。ならば、計画的かつ残忍な凶行で家族の日常と生命を奪った、あまりに身勝手な19才の少年に、守られるべき余地は残されているのだろうか。

 近所でも評判の美人姉妹は、両親を失った突然の悲劇に憔悴しきっているという。特に、“ターゲット”にされた姉(19才)は、「私のせいだ」と自責の念で自らの心を傷つけている。かたや、身勝手な理由で2人の命を奪った19才の少年Aの名は、かたくななまでに秘されたままだ。

 10月12日未明、山梨県甲府市郊外で発生した住宅火災。家屋が全焼し、焼け跡から50代の夫婦、井上盛司さんと妻・章恵さんの遺体が見つかった。

「パン、パンという爆発音で飛び起きました。窓からのぞくと、火の手が家全体に回っていて、夜の闇の中に大きな火柱があがっていました」(近隣住民)

 かろうじて焼け残った1階部分の骨組みが、火災の激しさを物語っている。しかし、井上さん夫婦の命を奪ったのは炎ではなく、刃物で10か所以上刺されたことによる失血死。内臓にまで届く深い傷もあったという。

「火災発生から15時間後、現場から20km離れた駐在所に“人を殺してしまった”と男が出頭。警察は19才の少年Aを任意同行し、13日未明に逮捕した。Aは顔にやけどを負い、右手小指を骨折していた」(捜査関係者)

不登校を家族で乗り越えた

 家族に温かい視線を送る温厚な父の井上さんと、地域の活動にも積極的に参加する活発な母の章恵さん。15年ほど前からこの場所に住む一家は、どこにでもある仲よし家族だった。 「お姉さんは中学時代に不登校になってしまった時期がありました。ですが家族の支えもあって、定時制ながら高校にも通えるようになった」(前出・近隣住民)

 甲府市内の定時制高校で、長女は将棋クラブに所属し、生徒会の役員も務めていた。努力家な面をもち、勉強も得意な彼女を慕う同級生は多かったという。

「妹さんは、毎朝7時頃にお友達が迎えに来て、自転車で中学校に向かっていました。お母さんに輪をかけて元気な子で、その明るさにお姉さんも引っ張られていたみたい」(別の近隣住民)

 事件当時、物音を聞いて目を覚まし、Aと鉢合わせた次女は、頭にけがを負わされながらも長女に異常事態を伝えた。危機的な状況下での行動には、姉妹の結びつきの強さが感じられる。しかし、2階のベランダから姉妹が命からがら逃げ出した直後、家族の思い出が詰まった家屋は炎に包まれた。

探し当てた住所と深夜の下見

 Aは、長女と同じ高校に通っていた。

「どちらかというと地味なタイプで交友関係も広くない。にもかかわらず生徒会長に立候補し、周囲を驚かせたこともあった」(高校の関係者)

 そんなAが一方的に恋心を抱いていた相手が長女だった。

「警察の取り調べに対し、Aは“思いを寄せていたが交際を拒否され、LINEをブロックされたこと”が犯行のきっかけだったと明かしています。事件前にはティファニーのアクセサリーを勝手に送りつけるなど、異常な執着をみせていた」(全国紙記者)

“片思い”が成就しなかったAは、長女の自宅住所を探し当てた。Aが犯行に及ぶ10日ほど前の深夜には、自宅を懐中電灯で照らす不審な人物も目撃されている。さらにAは「思い通りにならないので侵入しようとした。見つかれば家族全員を殺すつもりだった」と話している。

関連記事

トピックス

中居の“芸能界の父親代わり”とも言われる笑福亭鶴瓶
《笑福亭鶴瓶が語った中居正広の女性トラブル》「相談してくれたら…」直撃に口をつぐむほどの深刻さ『ザ!世界仰天ニュース』降板発表
NEWSポストセブン
韓国籍の女子学生のユ・ジュヒョン容疑者(共同通信)
【法政大学ハンマー殴打事件】「私の頭を2回ほど強めに叩いて降りていった」事件前日に容疑者がバスで見せていた“奇行”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
《アフターピル服用後…お守り代わりにナイフが欲しい》田村瑠奈被告、「手帳にハートマーク」「SMプレイの自主練」で待ち望んでいた“事件当日”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
2件の暴行容疑で逮捕、起訴されていた石野勇太容疑者(32)。新たに性的暴行に関する証拠が見つかり、3度目の逮捕となった
《独自》「いい孫だったんですよ」女児に不同意性交、男児には“しょうゆ飲み罰ゲーム”…3度目逮捕の柔道教室塾長・石野勇太被告の祖母が語った人物像「最近、離婚したばかりで…」
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告
「ゴムつけなかっただけで…」田村瑠奈被告が襲った被害男性の「最後の言葉」視界、自由を奪われて…【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
狩野舞子
《元女子バレー狩野舞子》延期していた結婚発表のタイミング…大谷翔平との“匂わせ騒動”のなか育んだ桐山照史とステルス交際「5年間」
NEWSポストセブン
韓国籍の女子学生のユ・ジュヒョン容疑者(共同通信)と事件が起きた法政大学・多摩キャンパス(時事通信フォト)
【法政大学・韓国籍女子学生ハンマー暴行事件】「日本語が上手くなりたい。もっと話したい」容疑者がボランティアで見せていた留学生活の“苦悩”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
〈舌と食道まで…〉「お嬢さんの作品をご覧ください」田村瑠奈被告の父親裁判で明かされた戦慄の“切除現場”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
2025年初場所
初場所の向正面に「溜席の着物美人」登場! デヴィ夫人の右上に座った本人が語る「観客に女性が増えるのは相撲人気の高さの証」
NEWSポストセブン
小室圭さん(左)と眞子さん(右)
小室眞子さんの“後見人”が明かすニューヨークでの生活と就活と挫折「小室さんは『なんでもいいから仕事を紹介してください』と言ってきた」
女性セブン
販売されていない「謎の薬」を購入している「フェイク動画」(instagramより。画像は一部編集部にて加工しています)
「こんな薬、売ってないよ?」韓国人女性が国内薬局「謎の薬」を紹介する“フェイク広告動画”が拡散 スギ薬局は「取り扱ったことない」「厳正に対処する」と警告
NEWSポストセブン
中居正広の女性トラブルで浮き上がる木村拓哉との不仲
【全文公開・後編】中居正広の女性トラブル浮き上がる木村拓哉との不仲ともう一つの顔 スマスマ現場では「中居のイジメに苛立った木村がボイコット」騒ぎも
女性セブン