今やすっかり個性派女優の水野美紀(47才)は、ラフな服装でもスタイルの良さは隠しきれず、オーラを振りまいていた。10月上旬、俳優で演出家の矢島弘一(46才)とタッグを組んで、脚本・演出をしながら出演もする舞台「2つの『ヒ』キゲキ」(新国立劇場・小劇場)のゲネプロを終えて、劇場を後にした彼女。大きな白Tシャツに緩いジャージのパンツとサンダル、大きなバッグを2つ下げてと、洒落っ気はないが、それだけ舞台に全精力を注いでいる証拠だろう。
直前の会見でも「演じているときと使っている脳が違う。けいこ中はずっと鼻血が出そうだった」と漏らしたほど。懸命に役に向き合っているようだ。
あるドラマ制作会社の幹部は「若いころは、アクションもこなせるエネルギッシュな正統派女優さんでしたが、いろんな経験を積んで、幅広い役で活躍できるベテラン女優さんになられたと業界では高評価。バイプレイヤーとしてのオファーが途絶えることがない方です」と話す。芸歴34年。自然体で、マルチな才能を発揮している。
1990年代は、大ヒットシリーズ「踊る大捜査線」(フジテレビ系)などにも出演して連続ドラマの常連だったが、2000年後半からは演劇ユニット「プロペラ犬」を主宰し始めて、しばらくテレビ界を離れて活動していた。
転機は「イメージを覆したかった」と、一念発起して園子温監督の映画「恋の罪」(2011年)で、一糸まとわぬ姿で主演したことだった。大胆な濡れ場であらためて存在感を出し始めると、再びテレビドラマ界で活躍の場を広げた。「どんな際どい役でも引き受けて、期待以上に演じてくれる女優さんだと、多くの業界人が注目し直したきっかけでした」(前出・ドラマ制作会社幹部)
2017年の連続ドラマ「奪い愛、冬」では、狂気のヒール妻を怪演し、さらに評価を爆上げ。昨年の話題作「M 愛すべき人がいて」でも、再び個性的な演技を披露するなど、引っ張りだこの状態が続いている。