映画『スマホを落としただけなのに』(2018年公開・2020年続編公開)やドラマ『デジタル・タトゥー』(NHK)など、昨今、スマートフォン(以下スマホ)を題材とした作品が注目を集めるのは、スマホがより身近になる一方、その怖さも他人事ではなくなっているからだろうか。スマホやSNSでの巧妙な犯罪手口に不慣れな人こそ、最新防犯術は必要だ。
生活に不可欠なスマホは正しく怖がり賢く使おう
10月7日に首都圏で起きた地震の際、緊急地震速報が鳴り響き、LINEで家族に連絡を取ったり、ニュースや帰宅経路をネット検索するなど、スマホの便利さを改めて実感した人も多いのではないだろうか。
スマホ所有率は、中高年の間でも60代は2020年69%が2021年80%に。70代も前年48%が同62%へ急伸中だ(*NTTドコモ モバイル社会研究所調べ)。
自粛期間中にスマホでショッピングしたり暇つぶしに動画を見たり、遠距離の家族やなかなか会えない友達とZoom飲み会やLINE動画で話す機会も増えた。スマホひとつで何でもできる便利さからか、インターネット利用時にパソコンよりスマホを活用する人が、いまや全世代で多くなっている。
「iPhone13などが話題を呼ぶ一方、各キャリアのスマホ買い替え施策の影響もあり、スマホに買い替える中高年が増えています」(ビックカメラ広報・高田雅人さん)
買い替える人の中には、「家族のすすめでLINEやSNSを利用したい」という人も多いようだが、古いガラケー用の3G回線終了予定(キャリアで異なるが2022〜2026年)が迫っているのも、スマホへの移行組が増えた要因の1つ。
NTTドコモ広報・各務舞香さんは、次のように語る。
「スマホに替える人が増加傾向なのは、3G回線からの移行専用のはじめてスマホプランや、スマホ教室、シニア向けのらくらくスマートフォンなど使いやすい機種などがあり、スマホの方がお得で便利なことが浸透してきたからと考えられます。1回5分以内の国内通話が何度でも無料になる特典もあります」
だが、スマホに替えて便利になる半面、個人情報を盗む犯人が手ぐすね引いて待っているのも事実だ。
「『スマホの使い方くらいわかっているから大丈夫』という人ほど、実は狙われやすい。特に、中高年はSNS投稿やフィッシング詐欺に慣れていないので、正しく怖がり手口を知ることが大切です」
そう話すのは、元埼玉県警捜査一課デジタル捜査班の警部補・佐々木成三さん。
詐欺被害などの犯罪に巻き込まれないためにも、スマホを守る方法を覚えておこう。