スポーツ

打撃の神様・川上哲治さん ゴルフのラウンド中だけは普通の人間だった

ゴルフでしか見られなかった姿も(時事通信フォト)

ゴルフでしか見られなかった姿も(時事通信フォト)

 いつの時代も多くの人々に愛されているゴルフ。プロ野球選手にもゴルフ愛好者は多い。プロ野球史上初の2000本安打を達成し、“打撃の神様”と呼ばれた川上哲治さん。引退後は巨人監督として空前のV9を成し遂げた。左投げ左打ちの川上は全国各地の“左利きゴルファー”が集う日本レフティゴルフ協会の初代会長でもあったが、同協会の4代目会長を務めた脇勉氏は、ゴルフを通じてその意外な素顔を目にしていた。脇氏が述懐する。

 * * *
 私が川上さんと知り合ったのは40年以上前のことで、すでに巨人軍の監督を退任され、全国で講演活動をされていました。“レフティの会”は関西発祥ですが、その後、全国各地で同様の団体が活動を始め、それなら組織を統合しようということで、1994年に川上さんに初代会長をお願いして、快く引き受けていただきました。まだ、左利きのゴルファーが奇異の目で見られていた時代で、全国組織として活動したほうがいいという考えに賛同していただきました。

 川上さんのゴルフは負けず嫌いそのものでしたね。スコアで負けたほうがラウンド後にグラスワインを1杯ご馳走する約束になっていましたが、どんな小さな勝負でも勝ちたいという姿勢が伝わってきた。もちろん遊びの楽しいゴルフなのですが、ラウンド中もどっちが勝っているのかと常に途中経過を確認されていましたね。

 親睦会のコンペなどで何がなんでも優勝を狙うといったことはなかったので、私や国松彰さん(元巨人、日本レフティゴルフ協会2代目会長)との“個人の勝負”には負けたくなかったのだと思います。80歳を超えてからもずっと、闘志を燃やしておられました。

 コンパクトなテークバックからパチンと打っていくゴルフ。もちろん飛ぶほうでしたが、野球で言えば中距離バッターの印象で、豪快にぶっ飛ばすゴルフではなかったですね。ただ、アプローチやパターは正確というか、いい加減に打つということは絶対になかった。

〈巨人監督時代は徹底した情報管理から“哲のカーテン”と呼ばれ、厳格な野球人としての印象が強い川上だが、「ゴルフ中は少し違った表情も見せていました」と脇氏は続ける〉

関連キーワード

関連記事

トピックス

新横綱・大の里(時事通信フォト))
《地元秘話》横綱昇進の“怪物”大の里は唯一無二の愛されキャラ「トイレにひとりで行けないくらい怖がり」「友達も多くてニコニコしてかわいい子だったわ」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
東京・昭島市周辺地域の下水処理を行っている多摩川上流水再生センター
《ウンコは資源》排泄大国ニッポンが抱える“黄金の資源”を活用できてない問題「江戸時代の取引金額は10億円前後」「北朝鮮では売買・窃盗の対象にも」
NEWSポストセブン
マッチングアプリぼったくり。押収されたトランプやメニュー表など。2025年5月15日、東京都渋谷区(時事通信フォト)
《あまりに悪質》障害者向けマッチングアプリを悪用した組織的ぼったくりの手口、女性がターゲットをお店に誘い出し…高齢者を狙い撃ちする風俗業者も
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
“じゃないほう”だった男の挑戦はまだまだ続く
「いつか紅白で『白い雲のように』を歌いたい」元猿岩石・森脇和成が語る有吉弘行との「最近の関係性」
NEWSポストセブン
白鵬の活動を支えるスポンサー企業は多いと思われたが…
白鵬「世界相撲グランドスラム」構想でトヨタ以外の巨大スポンサー離反の危機か? “白鵬杯”スポンサー筆頭格SANKYOは「会見報道を見て知った。寝耳に水です」
週刊ポスト
6月13日、航空会社『エア・インディア』の旅客機が墜落し乗客1名を除いた241名が死亡した(時事通信フォト/Xより)
《エア・インディア墜落事故》「ボタンが反応しない」「エアコンが起動しない」…“機内映像”で捉えられていた“異変”【乗客1名除く241名死亡】
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン