UFO(未確認飛行物体)が「空飛ぶ円盤」と名付けられたのは1947年に米・ワシントン州上空に9機の奇妙な物体が現れたとされる「ケネス・アーノルド事件」がきっかけだという。それから70年余り、UFOは多くの人々の知的好奇心と未知なるものへのロマンをかき立ててきた。
しかし、UFOの正体が何であるかについては、明確な答えは出ておらず、諸説飛び交う状態だ。そのなかでも根強く支持されているのが「エイリアン・クラフト(宇宙人の乗り物)」説だ。
近著に『宇宙人革命』(青林堂)がある科学問題研究家、竹本良氏が語る。
「目撃者の証言だけでなく、各国政府の公文書に残された記録、写真やムービーなど、エイリアン・クラフト説を裏付ける状況証拠の多さは他説を圧倒しています。
情報は玉石混交ですが、まったく異なる時代、場所で起きた事件が“点と線”で結ばれひとつのストーリーになることも珍しくありません。事件の検証に乗り出した科学者が、消去法で『エイリアン・クラフト以外、考えられない』と結論付けるケースもあります」
その昔、宇宙人と言えば“タコ型”が主流だったが、
「カナダの元国防相、ポール・ヘリヤー氏は各国メディアの取材に『すでに4種類の宇宙人が地球に訪れている』と語っています。また彼は、2013年に米国で開かれたUFO問題の公聴会にも出席。国防相時代のさまざまな事件に触れ、『米政府は情報を隠蔽している』と暴露しました。彼のように名誉も立場もある人が、デタラメを言うとは考えにくい」(竹本氏)
第二次世界大戦中のドイツ製「円盤型実験機」などを引き合いに、「秘密兵器」説を支持する人も少なくない。前述の「エイリアン・クラフト」説支持派にも、「米軍は異星人から供与されたテクノロジーを利用し、すでに“地球製UFO”(秘密兵器)を完成させている」という声がある。
一方で、米軍の先端兵器をUFOと見間違えるケースも多いようだ。軍事ジャーナリストの指摘。
「UFOの目撃多発地帯、米・ネバダ州の『エリア51』では、古くからステルス機や高高度偵察機の試験飛行が行なわれてきました。敷地に近付き『軍の関係者やジープに威嚇された』というUFOマニアがいますが、軍の施設なのだから当然。宇宙人とは無関係です(笑)。1980年代に登場した全翼の戦略爆撃機B-2も、その異様な形状からUFOに間違えられることがあったそうです」
※週刊ポスト2021年11月5日号