ビジネス

「Go Toトラベル」の再開にホテルマンが歓迎ムード一色とならないワケ

コロナ感染拡大でスタート後に中止となった昨年のGo Toトラベルキャンペーン(時事通信フォト)

コロナ感染拡大でスタート後に中止となった昨年のGo Toトラベルキャンペーン(時事通信フォト)

 コロナの感染者数が激減し、ようやく経済活動の回復基調が見られるようになった。政府は再び「Go Toトラベル」を実施して、年末年始も見越した観光需要の促進を図りたい構えだが、現場は必ずしも歓迎ムード一色とはなっていないようだ。ホテル評論家の瀧澤信秋氏が、Go To再開に向けた問題点を指摘する。

 * * *
 秋の行楽シーズンに突入し、緊急事態宣言が明けてから人々の行動には一気にポジティブムードが広がっている。週末の高速道路は渋滞がニュースとなり、閑古鳥の鳴いていた新幹線や飛行機も実際に利用してみると、そこそこの乗車率・搭乗率を実感する。追って月次データなど確認する必要はあるが、上昇に転じていることは間違いなさそうだ。

まだホテル需要は回復していない

 他方、ホテルの料金は上がっているのかといえばそうでもない。エリアやカテゴリーにもよるだろうが、先般仕事で大阪へ出向いたときは、往時(ここでいう往時とはコロナ前の時期)なら2万円は下らなかったデラックスホテルのスーペーリアルームが6000円ほどで予約できた。

 需要が高まれば料金も上がることは経験則として分かっているが、料金が上がらないということは、いまだ稼働率が芳しくないことを物語っている。

 本来ならGo Toトラベルの内容に関係なく需要が喚起され、ホテルへ多くのゲストが訪れるのが一番だと考えるが、前回のGo Toトラベルでは確かにお得感を抱いて旅をした旅行者が多かったし、経営難に苦しんでいた事業者の「助かった、命拾いした」というリアルな声をたくさん聞いた。

 とはいえ、Go Toトラベルに概ね賛同はできても、実際の現場取材で見えてくる現実的な問題、シワ寄せがあったのもまた事実であり、ホテル評論家としてここで敢えて指摘しておきたい。

関連記事

トピックス

九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
“鉄ヲタ”で知られる藤井
《関西将棋会館が高槻市に移転》藤井聡太七冠、JR高槻駅“きた西口”の新愛称お披露目式典に登場 駅長帽姿でにっこり、にじみ出る“鉄道愛”
女性セブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン