中学・高校の多くで採用されている学校制服。最近はジェンダーレス化の取り組みから女子生徒のスラックスを認める学校が増えるなど、慣例の見直しも進んでいるが、そもそも学生服自体の“不要論”も根強い。ファッションジャーナリストの南充浩氏が学生服業界を取り巻く内情についてレポートする。
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先ごろ、埼玉県のさいたま市立大宮北高校が「準制服」としてユニクロ製品の採用を検討しているというニュースがあり、SNS上でもそれなりに大きな話題となりました。
日本のマス層がとにかく「ユニクロ」というブランドに敏感で関心が高いという背景もありますが、私はこの記事を目にしたとき、大したニュースではないと思いました。なぜなら、中学校・高校が制服でアパレル企業やブランド、デザイナーと提携するのは珍しいことではないからです。
学生服のブランドコラボは珍しくない
学生服メーカーのコラボは今に始まったことではなく、20年前にはすでに当たり前のように行われていました。
例えば、学生服メーカーのトンボは公式サイトによると「イーストボーイ」「オリーブ・デ・オリーブ」「ヒロミチ・ナカノ」などとのコラボブランドが現在6つあります。
またカンコー学生服も「ビームス」「エル」「ミッシェルクラン」「ジュンココシノ」などのブランドとコラボをしていますし、昔懐かしい学生服ブランド「スクールタイガー」で有名だった瀧本も「ベネトン」「ヒロココシノ」「カンゴール」などのブランドとコラボをしています。
ですので、学生服という業界ではブランドコラボはありふれた事例であり、今回の“ユニクロ制服”についての報道も、業界慣れしている私にとってはその程度のバリューしか感じませんでした。しかもまだ採用決定ではなく「検討」している段階に過ぎません。