ドラマや映画ブームの裏で、ここ1年余り、韓国食品のずさんな管理体制が次々と明らかになっている。2021年8月には『辛ラーメン』で知られる韓国のインスタント麺メーカー最大手の「農心」がEUに輸出したラーメンから、基準値超えの有毒物質「2-クロロエタノール」が検出され、2020年6月には、千葉県内の業者が韓国から輸入した赤貝から、基準値を超える麻痺性貝毒が発見され回収に追い込まれた。
同年3月にもアメリカで韓国産エノキタケから食中毒の原因となるリステリア菌に感染して4人が死亡、30人余りが入院する事態が発生している。消費者問題研究所代表で、食品問題評論家の垣田達哉さんが指摘する。
「現在、食品の安全に関して最も危険な国は韓国だといえます。たしかに輸入時における食品衛生法の違反件数だけでいえば中国がトップですが、輸入している母数も多い。違反率だけを見れば、韓国がダントツです。中国は過去の冷凍餃子事件など相次ぐ問題に対処し、以前よりも状況は改善されています。韓国の場合は依然として、輸出時のチェック体制が甘いと考えられます」(垣田さん)
実際に厚生労働省が公表する「輸入食品等の食品衛生法違反事例」リストによると、2020年では34件、2021年に入ってからは24件の違反が目に入る。検疫などで食品衛生法に違反していると判断された食品事例をまとめた同リストの中で、ほかの輸入先である先進各国と比較しても、韓国の名前は極めて多い。違反理由として特に目立つのは、食中毒を引き起こす“大腸菌群”。たこやかに、赤貝、あなごなど複数の魚介類から多くが検出されている。
「大腸菌が検出されるいちばんの原因は、食品を扱っている衛生状態の悪さです。韓国では食品を扱う企業のほとんどが小さな工場であり、日本の大手食品メーカーのように衛生環境を徹底しているわけではない。
コストを抑えるために検査や衛生面におけるチェックの手を抜くケースも多く、従業員の意識も高いとはいえない。手洗いや掃除が不徹底なまま食品や工場設備に触れてしまうことも少なくなく、大腸菌が食品にうつりやすい原因になっていると思われます」(垣田さん)
海産物に潜む危険は大腸菌だけではない。赤貝やあさりなどの貝類からは、海の中のプランクトンが増殖することで生成される食中毒の原因物質「下痢性貝毒」も検出されている。食品ジャーナリストの郡司和夫さんが解説する。
「これは海洋汚染が深刻である証拠です。韓国では下水処理場やゴミ処理場が日本のように整備されていない場所も多く、いまだに人間や家畜の糞尿を海に捨てていると耳にします。
また、中国に近い海域は中国の工場から流れ出た廃棄物でも汚染されている。海産物にも影響が出るのは当然のことでしょう。こうした汚染から食品を守るために消毒剤が使われていますが、塩酸や殺虫剤が原材料であるため、もし残留していた場合、体内への影響が気がかりです」
※女性セブン2021年11月11日・18日号