古今東西、若返りや不老不死は永遠のテーマだ。歴史上で、権力者たちはその権力の永続を願い、さまざまな方法で長寿を試みた。なかには処女の生き血を飲んだり、子供の尿で煮詰めた鶏卵を食べたりといった際どいものまである。そこまでして、という気もするが、それほど執着する気持ちはわからなくもない。
しわやシミが増えた顔を鏡で見たとき、本や新聞の文字がぼやけて見えないとき、体のあちこちが痛くて日常生活が億劫なとき、病院で処方される薬が新たに増えたとき──これまでは「年だから仕方ない」と割り切るしかなかった。生きている限り誰にでも訪れる現象だったからだ。
だが、その老化を防いだり、若い頃の体を取り戻せるとしたらどうだろう。すぐにでも飛びつきたくなるような夢のような技術が、最新の研究により現実のものになろうとしている。
米Googleが老化現象やそれに伴う疾患の解決を目指す研究施設「Calico」を設立したことを筆頭に、多くの企業が長寿ビジネスに参入している。その一因として、人間の寿命が右肩上がりに延び続けていることが挙げられる。
今年9月には香川県在住の炭山ウメノさん、大分県在住の児玉コウメさんの双子姉妹が「存命中の最高齢の一卵性双生児」「史上最高齢の一卵性双生児」としてギネス認定された。その記録は、ご長寿双子姉妹として親しまれた「きんさんぎんさん」を125日上回る107才300日で、さらなる更新を続けている。