朝の情報番組の視聴率争いが激しい。この春に各局が大規模な改編を行ない、フジテレビでは小倉智昭がメインキャスターを務めた『とくダネ!』が22年の歴史に幕を下ろし、谷原章介をメインに据えた『めざまし8』がスタートした。その谷原の相棒に抜擢されたのが同局の永島優美アナだ。『バイキング』や『めざましテレビ』などでキャスターを務めた情報番組のエースだけに、キャスター経験の浅い谷原を絶妙にアシストして番組の好調を支えている。
『とくダネ!』時代からコメンテーターを務める教育評論家の「尾木ママ」こと尾木直樹氏は、新番組のここまでの成功は永島アナの力量が大きかったと見ている。
「番組の内容はコンセプトから何からガラッと変わりましたから、スタートする時はどうなるか心配でしたけど、永島アナは、この番組にはこの人しかいないっていうくらいハマっていますね。番組のスタート直前に結婚されたこともあり、初めから落ち着いていました。
最近、彼女が野球の始球式をしたのを見たのですが、ものすごくうまかった。きれいなフォームでノーバウンド投球してた。ダンスもすごく上手くて、運動神経がいいんですね。そういうなんでもやるところも視聴者に受け入れられていて、朝の時間にホッとして見ることができるんでしょうね。これまでたくさんの情報番組に出て女性アナウンサーもたくさん見てきましたけど、カミソリのように切れる人もいれば、バラエティタイプの人もいて個性豊かです。永島アナは一見、とんがった個性がないように見えますが、実はそれが彼女の個性で、あれほど安心感を与えられるキャスターは初めてです」
永島アナの父はサッカー元日本代表の永島昭浩氏。小学校からダンスに打ち込んだというだけに、身体を動かすことに関しては女子アナ界でも抜きん出ている。谷原がソフトでおっとりした印象だから、二人のコンビネーションもいいのだろう。
尾木氏は、『めざまし8』はまだまだ発展途上の番組だと語る。
「『とくダネ!』はニュース性や企画性が高い番組でした。そこからどう変えていくか、『めざまし8』は模索しているところだと思います。半年経ってこれから何を打ち出していくか、いろいろと苦労されているようです。なんとなくこの頃はエンタメ系が強くなっている気はします。それはそれで楽しくていいですね。コロナや選挙などの話題も取り上げますが、他局の番組とはちょっと違った側面のエピソードや、政治家でも人間性にフィーチャーしたりして特徴を出そうとしていますね。もちろん京王線の事件などは真正面からニュースとして扱っていましたし、臨機応変だと思います」
ニュース中心の堅い構成でもなく、それでいてワイドショーとも違うという難しい番組を切り盛りしているのが永島アナというわけだ。女子アナ評論家の丸山大次郎氏も、永島アナのキャラクターの勝利だと評価する。