国際情報

米原潜が南シナ海で衝突事故 放射能漏れ巡り米中当局が応酬

米中当局で様々な主張が

米中当局で様々な主張が

 米海軍のシーウルフ級原子力攻撃型潜水艦「コネチカット」が10月2日、インド太平洋上の公海上を潜航中に未知の海山に衝突した事故で、米軍は11月に入って事故現場付近の海域上空に、放射性物質を探知するWC-135コンスタントフェニックスを含む米軍偵察機5機を飛行させ、調査活動を行っていたことが明らかになった。

 中国側はこの事故の詳細が明らかにされていないことを「無責任」と非難し、「海洋環境を汚染するような核漏れを起こしたのかどうか」を明らかにすべきだと米側を批判している。米軍がWC-135コンスタントフェニックスを飛行させたことで、放射能漏れの可能性も排除できない状況だ。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。

 コネチカットの事故では、乗船していた少なくとも11人の水兵が負傷し、潜水艦は機首の一部がえぐれて一時、活動不能となるなど、かなり強い衝撃を受けたことが分かっている。

 米側は衝突が起きたのは南シナ海としたが、それ以上の情報は衝突時の潜航深度も含めて明かにしていない。また事故原因についても、当初は「原潜が正体不明の物体に衝突した」との情報以外は発表していない。

 これに対して、中国外務省は「米国の原子力潜水艦が南シナ海で未確認物体に衝突した事件について、中国は繰り返し深刻な懸念を表明し、米国に詳細な説明を求めている」と指摘。そのうえで「米側は『原潜が正体不明の物体に衝突した』という支離滅裂な声明を出すなど、透明性が欠如しており、米政府の無責任さを露呈している」と強く批判していた。

 この事件について、北京に拠点を置く海洋シンクタンク「南海戦略態勢感知計画」(South China Sea Strategic Situation Probing Initiative)はホームページ上で、衛星画像から、「コンスタントフェニックス」を含む米国の偵察機5機が事項海域上空で活動していたことを明らかにした。

 また、北京の軍事専門家の話として「コンスタントフェニックスが南シナ海地域に来るのは珍しい。この地域での最後の活動は、2020年1月にさかのぼる」と指摘。そのうえで、専門家は「コンスタントフェニックスは放射性物質を調べるために南シナ海地域に滞在していた可能性がある」との分析を明らかにして、コネチカットが海中事故で船体にダメージを受けた際、放射能漏れがあった可能性を示唆しているという。

関連記事

トピックス

ブラジルを公式訪問している佳子さま(写真/アフロ)
佳子さま、外交関係樹立130周年のブラジルを公式訪問 子供たちと笑顔でハイタッチ、花柄のドレス姿も 
女性セブン
「寂しい見た目」の給食に批判が殺到(X /時事通信フォト)
《中国でもヤバい給食に批判殺到》ラー油かけご飯、唐揚げ1つ、「ご飯にたまご焼きだけ」と炎上した天津丼…日本・中国で相次ぐ貧相給食の背景にある“事情の違い”
NEWSポストセブン
来来亭・浜松幸店の店主が異物混入の詳細を明かした(右は来来亭公式Xより)
《“ウジ虫混入ラーメン”が物議の来来亭》店主が明かした“当日の対応”「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」「すぐにラーメンと餃子を作り直して」
NEWSポストセブン
家出した中学生を自宅に住まわせ売春させたとして逮捕された三ノ輪勝容疑者(左はInstagramより)
《顔面タトゥーの男が中学生売春》「地元の警察でも有名だと…」自称暴力団・三ノ輪勝容疑者(33)の“意外な素顔”と近隣住民が耳にしていた「若い女性の声」
NEWSポストセブン
山本賢太アナウンサーのプロフィール。「人生は超回復」がモットー(フジテレビ公式HPより)
《後悔と恥ずかしさ》フジ山本賢太アナが過去のオンラインカジノ利用で謝罪 「うちにも”オンカジ”が…」戦々恐々とする人たち
NEWSポストセブン
親日路線を貫いた尹政権を「日本に擦り寄る屈辱外交」と断じていた李在明氏(時事通信フォト)
韓国・李在明新大統領は親中派「習近平氏の接近は時間の問題」、高まる“日本有事”リスク 日米韓による中国包囲網から韓国が抜ける最悪のケースも
週刊ポスト
田中真一さんと真美子さん(左/リコーブラックラムズ東京の公式サイトより、右/レッドウェーブ公式サイトより)
《真美子さんとの約束》大谷翔平の義兄がラグビーチームを退団していた! 過去に大怪我も現役続行にこだわる「妹との共通点」
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《「来来亭」の“ウジムシ混入ラーメン”動画が物議》本部が「他の客のラーメンへの混入」に公式回答「(動画の)お客様以外からのお問い合わせはございません」
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン