公示前から話題をさらった自民党の新人女性候補たちが、総選挙で散った。“タレント候補”として注目された元グラビアアイドルの森下千里氏(40)は、立憲民主の安住淳氏の牙城を崩せず、比例復活も叶わなかった。
「今春に石巻市に移住した“落下傘候補”。風当たりは強かったが、“辻立ちクイーン”を自称し、1600回以上街頭に立ったことで地元の評価は上がっていた。敗れたとはいえ6万票を獲得したので、次も出るなら見込みはあると推す関係者もいます」(地元記者)
今後について森下事務所に訊くと、こう回答した。
「本人も引き続き、宮城5区で次の選挙に向けて活動を続けていくつもりです。参院選への出馬は考えていません。現在の選挙区でやっていきます」
一方、地元との“軋轢”が足を引っ張る形となったのが、大分1区から甘利明・前幹事長の強力なバックアップを受けて出馬した元“番記者”の高橋舞子氏(33)。
「『政治の師』と仰ぐ甘利氏の“ゴリ押し”で公認候補に選ばれました。ところが地元関係者や支援者との諍いが絶えず、地元での悪評が報じられ、公明党の推薦も得られなかった。10月24日には自身の苦戦も報じられる甘利氏が大分に駆けつけたが、これまで甘利氏との仲をアピールしてきた高橋側が、今はイメージが悪いからとSNSにその時の甘利氏との写真を載せないことにしたので“どこまで失礼なんだ”と呆れられました」(県連関係者)
綻びは選挙戦の最後まで広がり、比例復活の可能性も絶たれたのに、事務所にいた高橋氏が万歳して当選の弁を述べてしまうという珍事まで起きてしまった。高橋事務所に今後について尋ねたが、期限までに回答はなかった。
本誌・週刊ポストが“パリピ写真”を報じた旧維新の党代表・松野頼久・元衆院議員の次女で比例東京ブロックで出馬した元ミス日本の松野未佳氏(26)も落選した。未佳氏はSNSで〈また次に向けて頑張ります〉と投稿したが、それに対するコメントは5件(3日時点)のみ。全国紙政治部記者が語る。
「自民党は女性候補の割合を増やす目標を立てていますが、今回の結果はそうして安易に候補者を選ぶ姿勢や、候補者の資質に対して、有権者の厳しい目が向いたということでしょう」
次回選挙で、彼女たちは咲くことができるだろうか。
※週刊ポスト2021年11月19・26日号