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大原麗子さん生誕75周年 病と闘いながら走り続けた、ファン想いの素顔

大原麗子さんの思い出は今なお、色鮮やか

大原麗子さんの思い出は今なお、色鮮やか(写真/女性セブン)

「万物でも感情でも、すべては壊れていくもの、変わっていくものだ、だから執着しすぎてはいけないし、執着しなくてもまたいけないの」(『SOPHIA』1987年3月号)

“諸行無常”という言葉を大切にしていた大原麗子は1946年11月13日、東京・文京区に生誕した。生誕75周年になる。父親は文京区千石で和菓子店を経営し裕福だった。3歳下の弟の政光さんが話す。

「小さい時、僕が近所の子にいじめられたら、お姉さんがその子を泣かせてました(笑)。頼もしい姉でした」

 麗子が8歳の時に父親の不倫が発覚して家庭が崩壊。母親と麗子は家を出て、府中でのアパート暮らしを経て北区赤羽の母の実家に戻った。生家に残った弟とは仲が良く、互いの家を行き来した。

 1964年にNHKドラマ『幸福試験』でデビューし、1965年に東映入社。2年で20本もの映画に出演し、瞬く間にスターの仲間入りをした。東映では劇中で裸を求められたものの頑なに拒否した。当時、大学生だった政光さんは大原の運転手を務めた。

「多忙な姉はパジャマで車に乗って、中で着替える。最初に洋服を上に着て、中のパジャマを脱いでいく。すごく器用でしたね」(政光さん、以下同)

 1977年からサントリーレッドのCMに出演。『すこし愛して、ながく愛して』のフレーズで視聴者の心を掴む。

「レッドは安価な商品だったので、本人は受けるか迷っていた。でも、信頼していた市川崑さんが監督を務めることもあって引き受けた」

 年2回集計の『テレビタレントイメージ調査』では、1976年から1984年まで13回も女性部門1位に。1989年にはNHK大河ドラマ『春日局』で主演を務めた。順風満帆な女優人生に見えたが、28歳で発症したギラン・バレー症候群の後遺症に悩んでいた。大原は「若い頃に頑張り過ぎたから、病気になっちゃった。だから、頑張るという言葉が嫌いなの」と漏らしていたという。

「ほとんど寝る時間もなく働いていましたからね。でも、病気について弱音は吐きませんでした」

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