水産白書によれば、昨年は、2002年以来18年ぶりに生鮮魚介類の世帯購入額が増加した。ステイホームで自炊が増えたことなどが要因とされるが、多くの人が魚が秘める健康効果に改めて気づいたことも影響しているのではないだろうか。そんな魚のなかで、多くの専門家が推すのが、秋が旬の鮭だ。イシハラクリニック副院長の石原新菜さんはいう。
「血流改善やがん予防、免疫力アップにアンチエイジング効果、抗酸化作用など、あらゆる健康効果が期待できます」
西台クリニック理事長の済陽高穂さんは赤い色素のアスタキサンチンに注目する。
「アスタキサンチンには極めて強力な抗酸化作用があり、ビタミンEの1000倍、ビタミンCの6000倍といわれています。
脳内の深い部分である『血液脳関門』を通過して体内に浸透するため、脳や眼球へのアンチエイジング効果も高く、眼精疲労の回復や視力の維持に役立つほか、認知症予防にもなる。そもそも秋鮭は熊が冬眠に備えて食べるほど栄養価が高い。いまの時期に食べるのは非常に理にかなっているといえる」
いま食べるべき理由はほかにもある。
「鮭にはカルシウムの吸収を促し、骨粗しょう症を予防するビタミンDも豊富です。ビタミンDは紫外線によって皮膚で合成されますが、秋から冬は日照時間が短くなったり、寒さゆえに家にこもりがちになったりするため、どうしても不足してしまいがち。ぜひ鮭を食べて摂取してほしい」(管理栄養士の磯村優貴恵さん)
※女性セブン2021年11月25日号