国内に流通するED治療薬は大きく分けて3種類。「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」である。それぞれ勃ち方に特徴があり、自分に適した薬を選ぶことが求められる。各国で研究開発が進むED治療薬のなかで、3大治療薬に次ぐ「第4の治療薬」として注目されるのが、日本にルーツを持つ「ステンドラ」だ。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が語る。
「もともと田辺三菱製薬が開発を始めた薬で、その後アメリカの製薬会社に譲渡され、2012年にアメリカで認可を受けました。国内未承認ですが、海外から輸入して処方を行なうクリニックがあります。この薬の特徴は、レビトラを凌ぐ即効性。早ければ服用から15分で効果が出るとされる。食事の影響を受けにくい点もメリットです」
経済成長の著しいインドでも新たな薬が誕生している。そのひとつが、「スーパーカマグラ」だ。インドのアジャンタ・ファーマ社が開発した、バイアグラの有効成分に早漏防止薬の成分を配合したハイブリッド薬だ。
「スーパーカマグラには“幸せホルモン”と言われるセロトニンの効果を高めるダポキセチンが有効成分に含まれています。早漏を改善する目的で使われており、勃起力が強まるだけでなく、射精にいたるまでの時間が通常の2~3倍になるとも言われます」(室井氏)
もともとカマグラはバイアグラのジェネリックとして登場した薬で、一般的な錠剤に加えて、ゼリー状の『カマグラゼリー』、ガムのように噛んで服用する『カマグラチュアブル』、トローチ状の『カマグラPOLP』など、ユニークな剤形が過去に話題となった。常識にとらわれない自由な発想が、スーパーカマグラを生んだと言える。
こちらもクリニックによっては輸入の上で処方しているケースがあるが、薬の用法には注意が必要だ。くぼたクリニック松戸五香の窪田徹矢院長が語る。
「日本で認可されているバイアグラは50mgまでですが、カマグラは50mgと100mgがあります。100mgは日本人には負担が大きく、服用する場合は2つに割って飲むことが推奨されます」
※週刊ポスト2021年11月19・26日号