天皇家長女の愛子さまが12月1日に20才の誕生日を迎えられる。愛子さまが成人され、祝福ムードが高まり、その後、公務を立派に行われる姿を国民が目にする機会が増えれば、何に火が付くか。「愛子天皇待望論」だ。
現在の皇室典範で女性天皇は認められていないが、共同通信が2021年4月に行った調査では、回答者の87%が女性天皇に賛成と報じられた。受け入れる土壌は充分にあるのだ。そうした世論の背景には、いまの制度のままでは長く安定的な皇位継承が難しくなる現実がある。
「2006年の悠仁さまの誕生は、皇室にとって41年ぶりの男系男子の誕生でした。つまり、それまでは、皇位継承が途絶える深刻な危機だったわけです。だからこそ小泉政権時の2004年に、皇室典範の改正に向けた議論が本格的に始まりました」(全国紙記者)
その議論は悠仁さまの誕生によって一時的にストップしたが、眞子さんが結婚して皇籍を離脱したように、佳子さま、愛子さまが結婚によって皇室を離れていけば、皇統の存続はいずれ悠仁さまおひとりに委ねられることになる。
「『安定的な皇位継承』について誰よりも考えられているのが、上皇ご夫妻だとされます。皇統を途絶えさせないよう、女性宮家創設や、女性天皇・女系天皇実現についても思案されてきたそうです。
先頃、天皇ご一家と4宮家を女性皇族が継ぐ案を政府が想定していることが報じられたのにも、そのような背景があるのでしょう。愛子さまが将来ご結婚されても天皇家を継ぐというのは、つまり愛子さまが天皇になられる可能性を排除しないということなのです」(宮内庁関係者)
議論がにわかに動き始めているのには、愛子さまが成年皇族になられることだけでなく、永田町の動きも影響している。
「男系の維持に強く固執していた安倍晋三元首相は長らく、女性天皇に関する議論をやめていました。菅義偉前首相は1年という短い在任期間の中で、東京五輪やコロナ対策という喫緊の課題を前に、皇室典範改正については、安倍氏を踏襲するにとどまっていた」(前出・全国紙記者)