臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、剛力彩芽が出演中のマクドナルドの新CMについて。
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久々にオォッ!と思うほど印象的なCMが放映された。登場しているのは女優の剛力彩芽さん。CMはマクドナルドの「新マックフルーリーブラックサンダー『冬の稲妻』篇」。
見た瞬間、「剛力さんってこんなに可愛かったのか」という驚きと、「よくこのCMに出演したな…」という戸惑いや、「きっとその時は切なかったのだろう」という思いと、「もう吹っ切れたのだな」という気持ちが交錯した。
映像は雪の降る冬の日、マック店内のカウンターテーブルに1人で座る剛力さんがいる。雪のように白いタートルネックのセーターに真っ白な厚手のジャケットを着て、髪は後ろに束ねている。左手には「新マックフルーリーブラックサンダー『冬の稲妻』」、右手には小さなスプーンを持っている。流れてくるのは、フォークグループ「アリス」の『冬の稲妻』のあのフレーズ。今から40年以上も前にヒットした失恋の歌だ。
じっと窓の外を見つめ、ブラックサンダーに視線を落とし、口元をしっかりと結ぶ剛力さん。宣伝するつもりはないが、私も食べたことがないのでどんなものか調べてみると、ソフトクリームにココアクッキーとビスケットが混ぜ込まれた、ブラックサンダーとのコラボスイーツだという。スプーンで掬って口に入れると、まるで何かを思い出すように少し遠い目をしている。一口、二口と味わううちに笑みがこぼれるが、それが泣きそうな笑顔に変わり、涙がこぼれるのを堪えるように上を向く。その映像に合わせるように流れる曲のフレーズが、なんとも意味深なのだ。