『週刊ポスト』2021年11月1日発売号ではEDに関する悩みを募集。その回答には、多くの読者の苦悩が色濃く反映されていた。61歳の会社役員・Aさんは50代に入ってから一気に「衰え」を感じたと明かす。
「気分は盛り上がっているのに最後まで続けられず、相手に『ごめんね』と謝る機会ばかり増えて、男としての自信を失ってしまった。かかりつけ医に相談してバイアグラを処方されましたが、食後に効きが悪くなることと自由診療で費用がかさむことが大きなネックです。他の治療薬も一長一短あり、有効な解決策が見つかりません」
そのほかにも深刻な悩みが多く寄せられたが、医療に頼らずとも日常生活で勃起力を回復させる方法がある。
くぼたクリニック松戸五香の窪田徹矢院長が解説する。
「勃起力の低下には、運動不足や不摂生といった生活習慣が密接にかかわっています。逆に言えば病院での治療や薬に頼らなくても、生活習慣を変えればEDは改善できる」
そこで意識したいのが、下半身の筋力アップだ。
「加齢や運動不足が重なると陰茎などの骨盤内臓器を下から支える『骨盤底筋群』が弱まり、勃起力が低下する。この部分を重点的に鍛えることが必要です」(窪田医師)
骨盤底筋群の強化は勃起力の向上に加えて、高齢者の大敵である頻尿を予防する効果がある。シニアの大敵であるED、頻尿の両者を対策可能だ。
今回、窪田医師に「3種のびんびん体操」を伝授してもらった。詳しい動きは別掲図解を参照してほしい。
1つめは「ワイドスクワット」。まず肩幅の2倍ほどまで足を開き、つま先を外側に向ける。そのまま背筋を伸ばした状態で、お尻をゆっくり上下に動かす。
「通常のスクワットよりも足を広げることで骨盤底筋群への刺激が強くなり、勃起力がアップします。さらにピストン運動に欠かせない太ももの筋力も鍛えられる。最初は無理をせず、お尻を軽く上下させるだけで効果があるので、歯磨きしながらでも始めてみましょう。まずは1日10回やればOKです」(同前)