《五十歳を節目とし環境を変えてみたいという突き上げられる思いを感じ》──。11月12日、「最後の大物独身俳優」と呼ばれる竹野内豊(50才)が、大手芸能事務所を退所することを発表した。
24才から在籍し、長く反町隆史(47才)と“二枚看板”で事務所を支えてきた。1997年のドラマ『ビーチボーイズ』(フジテレビ系)では、夢の“イケメン共演”が大きな話題を呼んだ。
「コロナ禍の自粛期間中、自分の人生を振り返ったのも影響したと語っています。確かにここ数年、独立する俳優は増えています。その事務所からも水嶋ヒロさん(37才)や松田翔太さん(36才)、江角マキコさん(54才)らが独立、移籍していますが、若かったり“トラブル”が原因でした。
でも、竹野内さんには当てはまらないので不思議です。一部では結婚の噂も出ましたが、どうやらそれもなさそうなんです」(芸能関係者)
唐突な独立ゆえ、あらゆる情報が飛び交ったが、竹野内は以前から決めていたという。
今年4月、雑誌のインタビューでこう答えている。
《50歳という年齢に、自分の中に全く焦りがないかというとそれは、嘘になります》(『STORY』6月号)
その「焦り」について、あるドラマ関係者はこう話す。
「反町さんは『ビーチボーイズ』以降、『GTO』(フジテレビ系)や『相棒』(テレビ朝日系)で活躍しています。事務所の先輩で尊敬しているという唐沢寿明さん(58才)にも『白い巨塔』(フジテレビ系)や映画『20世紀少年』など代表作がある。でも、竹野内さんは“自分には代表作と呼べるものがない”という、忸怩たる思いがあるのかもしれません」
海外志向も、年々高まっていた。
10年前、竹野内は主演映画『太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-』で、オーストラリアで開催された日本映画祭に初参加。その際、海外進出について聞かれると「ご縁があれば、ぜひ参加してみたい」と答えているが、これはリップサービスではない。
「翌2012年には演技のレッスンを受けるため、米ニューヨークに滞在。その頃から海外志向が強くなりました。最近は中国語やタイ語の勉強を始めたと聞いています。
ただ、海外作品は頻繁に出られるわけではない。事務所は月給制なので、出演本数が限られると、実働に見合わなくなり“海外進出すれば事務所に迷惑をかける”と考えて独立したのかもしれません」(映画関係者)
竹野内の人生観に大きな変化を生む出来事もあった。
「2014年4月、彼は両親に一戸建てをプレゼントしました。都内の高級住宅地にある5億円ともいわれる豪邸でしたが、新居での生活を始めて間もないその年の8月、お父さんが肺がんで亡くなった。そのショックを抱えたまま仕事をするなか、コロナ禍が起きました。“明日、自分がどうなるかもわからない”という思いが彼に決断を促したのかもしれません」(竹野内の知人)
所属事務所には反町や唐沢、親交の深い沢村一樹(54才)らがいる。特に反町とは盟友ともいわれてきた。彼らはこの独立をどう受け止めているのだろうか。
「竹野内さんはきっと皆さんに事前に報告しているはずです。皆さん、竹野内さんが決めたことですし、彼が真面目な努力家なのを知っているので、温かく見守ろうという気持ちでいるのではないでしょうか」(前出・芸能関係者)
前出の雑誌のインタビューで竹野内はこうも答えていた。
《50歳を通過点と考えて、60歳をどう生きるか──。楽しみながら、様々な作品に参加できればと思います》
五十にして天命を知る──いましかない“巣立ちの時”だったのかもしれない。
※女性セブン2021年12月9日号