SixTONESの松村北斗が、初めて挑んだ“朝ドラ”『カムカムエヴリバディ』(NHK総合ほか、毎週月〜土、8時〜ほか。※土は振り返り放送)。三世代にわたる100年間の物語を描くという“朝ドラ”史上初の作品で、そのトップバッターの一員を担ってきた。戦争という悲しい時代の波に翻弄されていく中で、ヒロイン安子(上白石萌音)の運命の相手となる雉真稔を、その確かな演技力で魅力的に演じてきた松村。「“朝ドラ”に挑めたことは、この先の自分にとっても大きな意味を持つ」と言うように、役者としての確かな成長を遂げたいまの思いとは。松村に話を聞いた。
* * *
“朝ドラ”という歴史のある番組に挑めたことは、この先の自分にとっても大きな意味を持つと感じています。芸能のお仕事をやっていく上で、この作品で培ったモノは役者としてはもちろん、お芝居以外の仕事に対しても大きなパワーとなる。自分自身の“成長の芽”を伸ばしていく糧になったと思っています。
“朝ドラ”の作品って、温かくてほのぼのしたイメージがあったんですけど、実際に出演してみると、台本を書かれるかたも演じる役者さんたちも“怪物だな”と(笑い)。1話15分の物語の中にメッセージがこもっていて、台本が濃密なんです。それを表現するのはこんなに難しいことなのか……と痛感しながら演じていました。
いま振り返って印象的なシーンといえば、父親と腹を割って話すシーンがすごく好きでしたね! セリフの掛け合いが多くて、台本をめくってもめくっても同じシーンという状態だったんですけど。物語を進める上でも、視聴者のかたに伝えるメッセージとしても、大切な言葉がたくさん並んでいたと思います。やはり父と子の関係性というのが、いまの時代と全く違うんですよね。父親に対して自分の意見や考えを言うことは、ものすごく覚悟がいった時代だと思うので、稔を演じる上では、いつも父が正解だ……という姿勢でいました。
“朝ドラ”を通して、初めてぼくのことを見てくださるかたもたくさんいたと思います。まだまだ未熟だったと思うけど、少しでも稔を通して作品に興味を持ってもらえたなら“朝ドラ”に対して恩返しができたのかな……と。もっと成長して、いつかまた帰ってきたい。“朝ドラ”は、ぼくにとってそう思える大切な場所になりました。
※女性セブン2021年12月9日号