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「調教には乗るつもり」蛯名正義氏、騎手だった強みが活きる厩舎を目指す

レース前のパドックでジョッキと打ち合わせする蛯名正義氏。多くの言葉を使わなくても分かり合えることがあるという

レース前のパドックでジョッキーと打ち合わせする蛯名正義氏。多くの言葉を使わなくても分かり合えることがあるという

 ジョッキーとして国内外で活躍した蛯名正義氏が、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートする。蛯名氏による週刊ポスト連載『エビジョー厩舎』から、今回はどんな厩舎にしたいかについてお届けする。

 * * *
 開業は来年3月1日の予定ですが、まだ厩舎の場所も決まっていません。スタッフも決まっていくのはこれからです。でもどんな厩舎にしたいかは、いろいろ考えています。

 調教には乗るつもりです。

 自分で乗って、スタッフにも乗ってもらって、そのうえで意見をすり合わせていくのがいいかもしれない。自分で仕上げるというのではなく、クセを掴むことで、その馬にとっていい調教方法が見えてくることがありますから。

 馬に乗るのは嫌いじゃないから(笑)、どんな馬なのかなという純粋な興味もある。ジョッキーの時は多くの馬に乗ることができましたが、調教師は管理している馬だけしか関わることができません。その分、1頭の馬と接する時間は、ジョッキーの時よりずっと長くなる。

 長い間ジョッキーとしていろいろな馬に乗ってきました。内にもたれたり、物見したり、極端にいえばカーブをうまく曲がれない馬もいるけれど、そういう馬もレースでコントロールしてきた。

 どういうタイプの馬なのかという情報をジョッキーに的確に伝えたいですね。さらに自分の厩舎の馬のクセを把握して、誰が乗ってもジョッキーが思ったような競馬ができるようになればいい。ジョッキーに「乗りやすい」と言ってもらえる馬をつくるのが蛯名厩舎の価値になっていけばいいのかなと思います。

 中舘(英二)先生なんかもご自分で乗られていますよね。何回か乗せていただきましたが、たくさんの言葉を使わなくても、「ああ、そういうことか」と、お互い騎手だから分かるようなポイントをついてこられます。そこで乗る方ももっと踏み込んだことも訊くことができる。

 もちろん騎手同士じゃなくても分かるような伝え方も知っていかないといけない。それは調教師として必要なスキルだと思いますが、ジョッキーだったことの強みは活かしていきたいですね。

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