10月にスタートしたTOKIO城島茂主演の連続ドラマ『サムライカアサン』(日本テレビ系)。もこもこパーマに割ぽう着姿の城島のオカンっぷりは、ハマり役と評判は上々だ。コラムニストのペリー荻野さんが“オカン城島”について解説する。
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城島茂50歳にして連ドラ初主演作となった『サムライカアサン』。
思春期の息子たけし(大西風雅)と夫ジョージ(有野晋哉)に熱烈愛情を注ぐ(というより、ぶつけまくる)オカン(城島)の日常を描くコメディだ。「伊佐木よい子」とダジャレ的名前のオカンは、もこもこパーマに割ぽう着、ヒョウ柄をはじめ、濃いめの色柄もの上下など、関西のおばちゃんコーディネートが定番のスタイル。もちろん言語は関西弁だ。
オカンのパワーはものすごい。「愛情たっぷり弁当」を届けなければとたけしの高校に突進、ガールフレンドが訪ねてくると部屋をのぞきたくてたまらない、バイト先のバーガー店には毎日こんにちは! 母をウザいと嫌な顔をする息子と「たけしのこと好き好き病じゃ」と言い切るオカンの悲喜こもごもは、大げさにも見えるが、結構「あるある」なのである。
ひとつ興味深いのは、ほら貝。ある朝、オカンは寝坊するたけしの枕元に立って、ブオホー~!!とほら貝を吹きまくる。変った音色で起こしたろうと思ったとうれしそうなオカン。タイトルに「サムライ」がついているからか、ほら貝を吹いてもあんまり違和感がないのにびっくりだ。
また、ここで思い出したのは、ドラマ『義母と娘のブルース』の主人公・亜希子(綾瀬はるか)だった。亜希子はいつでもどこでも白いシャツに黒いタイトスカート、ひっつめ髪に眼鏡のきっちりスタイルで、血縁のない娘の健康維持を「ベースミッションです」と位置づけるなど、生活も仕事モードっぽいが、ここ一番、娘のために奮闘する際にはほら貝と太鼓が鳴り響いていた。よい子と亜希子のスタイルはまったく違うが、思春期のこどもと母との衝突、エンジンがかかった母の暴走場面とほら貝は、笑いにつながる。相性がいいのである。