「喝!」「あっぱれ!」といった余りにも有名なフレーズと批評で人気を集めた野球評論家の張本勲氏(81)が11月28日、出演している『サンデーモーニング』(TBS系)の「週刊御意見番」を年内で卒業することを発表した。張本氏はこれまでも歯に衣着せぬ発言でたびたび物議を醸してきたが、今夏の「あの発言」が卒業の“引き金”になったようだ。
「嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合ってね。こんな競技好きな人がいるんだ」
東京五輪で金メダルを獲得した女子ボクシングの入江聖奈選手(21)について8月8日の放送で張本氏がこうコメントすると、ネット上では「老害」「アスリートに失礼すぎる」など批判する書き込みが殺到し大炎上。日本ボクシング連盟がTBSに抗議文を送り、番組の制作プロデューサー名で「当番組として、不快に思われたボクシング関係者や視聴者の皆さまに誠に申し訳なく存じます」などと記された謝罪文を出す事態となった。
そんな張本氏が“御意見番”として番組に出演するようになったのは、1997年のコーナー開始時に遡る。当時は2010年に亡くなった元日本ハムファイターズ監督の大沢親分こと故・大沢啓二氏とのコンビだった。当初は交代で1人ずつ番組に出演していたが、ある放送でダブルブッキングの手違いが起きたことで共演が実現、その掛け合いが視聴者から評判だったため、以後毎週2人が出演する運びになったという。
しかし、当時を知るあるスポーツジャーナリストは「実は最初は張本さんではなく別の大御所OBに出演オファーが出されていたんです」と明かす。
「『週刊御意見番』のコーナーは、始まる前の予定では2019年に亡くなられた400勝投手のカネやんこと金田正一氏と大沢親分のコンビでスポーツ界を一刀両断してもらう予定でした。しかし、金田氏が“(大沢氏とは)現役時代の成績が違う。格が違う”とオファーを固辞したことで、同じ名球会の張本氏に白羽の矢が立ったんです。20年以上も続く人気コーナーになるとは思いませんでしたが、張本さんも十分に役目は果たしたのではないでしょうか」
張本氏は来年以降も番組に不定期で出演する予定だというが、“後継者”はまだ発表されていない。時に発言が批判を巻き起こすこともあったが、唯一無二の存在感を放っていたことも事実。今後は誰が“喝”を入れるのか――注目は続きそうだ。