昨年来、コロナ禍で自粛が求められてきた我々の我慢をよそに、“以前と変わらない生活様式”を国民の浄財で謳歌する議員が多数いたことが判明した。
この2年というもの、政府は度重なる緊急事態宣言と外出自粛を国民に求め、国民は外食や飲み会を我慢し、子供や孫を行楽に連れて行くこともできなかった。
ところが、当の政治家たちは“オレたちには自粛など関係ない”とばかりに、コロナ禍で国民の浄財である政治資金を使って飲み、食べ、歓楽街を闊歩していたのだ。
本誌・週刊ポストは総務省が11月26日に公表した国会議員の資金管理団体や関連政治団体の昨年(令和2年)分の政治資金収支報告書を精査し、「飲食代」や「会合費」などの名目で多数多額の支払いが行なわれていたことを突き止めた。秘書が出た会合も含まれているだろうが、議員の支出であることに変わりはない。
政府は昨年4月に1回目の緊急事態宣言(4月7日~5月25日)を出し、飲食店には午後8時までの時短営業、酒類を提供する店には休業を要請、歓楽街は灯が消えたようになった。そのさなか、「コロナ担当相」として連日会見を開いた西村康稔・経済再生相(当時)は、懐石「宋胡」(4月10日)など同じ日に4件分の「飲食代」を収支報告書に記載した。
宣言後にいったん沈静化するかに思えた感染者は秋から再び急増し、西村氏は「この3週間が勝負だ」と国民に外出自粛と感染対策強化を要請した。だが、当の西村氏はこの「勝負の3週間」(11月25日~12月16日)に政治資金パーティー(12月7日)を開いていたばかりか、12月10日にはワトルトウキョウ(オーストラリア料理)、世良田(焼き鳥)、東急ホテルズの3件の飲食代を記載していたことが分かった。
飲食代について西村事務所は、「報告書の日付は代金の支払日。利用した日は緊急事態宣言中や勝負の3週間ではありません」と説明するが、いつ店に行ったかの正確な日付は調べるのに時間が必要という。